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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第11話:今はまだ早すぎる
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ズの魔法を解かないのだ。

 だがそれは同時に、細やかなものであっても奏が受けたバックファイアなどの負担が颯人に全て流れていくと言う事でもある。自身にとっての希望を、自身の力で危険に晒らす。

 それが嫌だからこそ、奏は颯人に魔法の解除を要求しているのだ。

「あのなぁ、流石のあたしだっていい加減自分が無茶するのがやばいって事くらいちゃんと自覚してるっての。もうあんな事しないから、いい加減魔法解いてくれよ」
「ば〜か、んな言葉に騙されるかっての」
「イテッ?!」

 強引に迫っても颯人は首を縦に振らないと見てか、奏はアプローチを変えた。即ち無茶しないことをアピールして油断を誘い、魔法を解除させようと言う作戦だ。

 だがこの作戦も颯人には読まれていた。彼女の性格はよく分かっている。口ではこんな事を言っても、いざと言う時になれば無茶をやるのは手に取るように分かった。分かりやすい嘘を口にした彼女を嗜めるかのように彼は彼女の額をペチンと叩いた。

「分かりやすい嘘ついてんじゃないよ」
「嘘なもんか!」
「嘘だよ。お前分かりやす過ぎるんだよ。だって顔に思いっきり嘘って書いてあるんだぞ、デコの所に」
「はぁ? んな訳あるか」
「本当だって。翼ちゃんとかに聞いてみな、うんって言うから」
「何言ってんだか。なぁ、翼?」

 何を世迷い事をと、奏は翼と響に同意を求めようと2人の方を見る。2人は彼女に同意しようと口を開いたが────

「――――ある」
「へ?」
「奏さん…………オデコに嘘って書いてあります」
「はぁっ!?」
「奏ちゃん、はいこれ」

 奏の顔を見て唖然としつつ颯人の言葉に同意した2人に、彼女はどういうことかと慌てて額に手を当てる。

 そんな彼女に話を終えたのか、了子が手鏡を彼女に見せ彼女にも自分の額が見えるようにした。

 果たしてそこには確かに、額に嘘と言う文字がしっかりと書かれていた。

「なぁぁぁっ!? 何だこれっ!?」

 まさかの光景に叫び声を上げる奏。

 何故こんなものがと額を擦ると、嘘と言う文字は滲んで形が崩れた。どうも水性のインクか何かで書かれたものらしい。

 そこで奏は気付いた。この文字が発覚する直前、颯人が自分の額を引っ叩いた事を。

 奏の表情が般若の様に歪み、ゆっくりと颯人の方を見る。

 彼女がそちらを見た時、そこでは颯人が明後日の方を向きながら肩を震わせ、ハンカチを差し出していた。
 やはりそうだ、これは彼が仕組んだことなのだ。恐らく、予め手にインクで嘘と書いておき、額を引っ叩く時その文字を押し付けたのだろう。

 それを理解した瞬間、奏の怒りが爆発した。

「颯人ぉぉぉぉぉぉっ!?」
「お〜っとぉ!!」

 素早く颯人
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