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機械の夢
第01部「始動」
第06話
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が、ラムダはこうなった要因を語った。
「…何故そんな事をした」
 ラムダの話を聞いて、俺は静かに自分の頭に血が上っていくのを感じた。
 貨物船の運んでいたコンテナの一つ。ダミーの中に見つけた本命。その中に入っていたのがこの体だそうだ。
「それは…」
「解っているのか?それは奴等が運んでいた物だぞ!どんな為の物かも解らずにお前は…」
「……も、申し訳」
 言葉に詰まる。火星の後継者で、こんな物を作れるのは山崎ぐらいだろう。あの山崎が作ったなら、それがどんな目的で作られたのかは解らないが録な代物じゃ無いだろう。
「早く元に戻れ。それは破壊する」
「お願いですマスター。危険が無いかは隈無く調べました。私を捨てないで下さい…ッ…ッ…」
 涙…だと?
 あの下衆…泣き叫ぶ火星人を何人も殺しておいて…そんな機能を持たせたのか……ふざけ る な!!
「お前、自分が何言ってるのか」
「それは君もだけどね」
 …アカツキ。
「君の感情も分かるけどね。でも、僕としては先手が打てて幸運だと思うよ」
「そうね…まさか人工的な生体だなんて…」
「どういう事だ?」
 珍しく真剣だなアカツキ。
「分からないかい?考えてみなよ。この成功が何を引き起こすかをさ」
 機械に人工知能が入った…ユーチャリスの方が凄いと思うがな。
「死なない兵隊…って聞いたこと無い?」
「……ゾンビとかか?」
「マスター!私は腐ってません。清潔です!」
「さっきのラムダの言った事を思い出してみなよ」
 …………触れられる感覚…感覚?
「触覚があるのか?」
「そう。ラムダの体は機械だとしても、感情も感覚もあるように見える。まるで…いや、人間そのものって事さ」
「これが量産されたら?いくらでも代えが効く兵器の完成さ。いくら君でも、数百のエステバリスに捨て身で特攻してきて自爆でもされたら?」
「ジャンプが使えなければ死ぬな」
 機体に密着されれば、自爆されて間違いなく死ぬだろうな。
「そう。そんな戦法をされる前に発見出来て良かった。そういう意味さ」
「解析してみないと詳しいことは解らないけど、対策が立てられるかも知れないし……」
 ……くそ。
「ラムダ、お前も同じ意見か?」
「私は…私は………体が欲しくなりました。マスターがラピスに触れる様に、私もマスターやラピスに触れたい。マスターの意に背くと解っていてやりました…何をされても構いません……お願いです。私にこの体を…下さい……お願いします」

 それが…俺の、ラムダに対しての意識を変えさせられた瞬間だったかも知れない。

 人らしく成長する命の無い生命。
 人工知能を有した機械から、体を手に入れてそこに確かに存在すると…擬似生命体とも言える人らしい存在に。
「…お前にも借りがあったな……好
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