第01部「始動」
第06話
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ベッドの感触から予想する。
「起きたかい?」
アカツキか。
「…ああ。寝起きはいいんでな」
「そりゃ良かった」
軽口は軽口で反ってきた。
「何でこんな事したの!」
「エリナか。俺が出来る最後の償いを」
-パンッ-
頬に平手が当たった。痛みや感触は薄いが、目の前にある顔が胸を責めた。
「ふざけないで!!貴方、自分が何をしようとしたか分かってるの!?」
「…」
分かってる…そう言える筈だった。だが、何故か言えなかった。
「君の負けだよ」
「………そう、みたいだな」
アカツキか…そう言えばさっきアカツキに負けたんだったな。今考えても不思議でならない。
力も技術も俺が勝っている。いくら体力が十分じゃ無かったとは言え、それだけで負ける程甘くは無い。アイツの意識を刈り取れるだけの一撃は入れた筈だった。
それなのに負けた。その事実だけが今残っている。
「俺はどう…」
「昨日も言ったよ…他人に聞くな自分に聞けってさ」
……………厳しい奴だな。
甘えるな。そんなの自分で考えやがれ…か。
「………ラピスと話を…してみる」
「マスター……」
ん?
「誰だ?」
しまったな。そういえば、もう一人居たんだったな…アカツキ、エリナ以外か。プロスペクターやゴートじゃないな。誰だ………
「…お手を失礼します」
誰かに手を握られた。
-キィ-
視界が開ける。目に写ったのは綺麗な銀色の髪をした女性。
最近…っと言うか、さっき会ったばかりの女がいた。
「どうですかマスター……ラピスの様にはいきませんが、少しは五感が働きましたか?」
「ああ…良く見える。大したもんだな…ラムダ」
「有難う御座いますマスター」
……………
「アカツキ」
「言っとくけど僕関係ないよ。勿論ネルガルもね」
そんな訳があるか。ラムダはずっと俺たちといた。こんな事がネルガル以外に出来るわけが…
「マ、マスター!?」
髪や顔を触ってみるが本物だ。いや、偽物には思えない。
「アキトくん!!」
「何だエリナ」
「貴方ね…今はそんなことしてる時じゃないでしょ!」
何を言って…
「マ、マスター…駄目です。もっと優しくして下さい……触れられる感覚に慣れてないので、その…」
…嘘だろ。
「本当にラムダなのか?」
「はい。マスター」
もう一度ラムダを見る。
ラムダにアクセスをした時に見た姿だ。それは間違いない。
「話せ。もうさっきみたいな言い訳は効かんぞ」
「………はい」
「おや?やっと本題かい?もう少しイチャイチャしててもいいんだよ?」
「…そ、そんな。私はマスターと、あ、あの…その………ぅ」
「会長?秘書課の美月さんの件ですが」
「あ、何でもない。続けて続けて…」
話の腰を折られた形だ
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