暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX−音速の機械戦士−
―アイドル決定戦―
[1/13]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 十代が休学してしまい、万丈目と五階堂の様子がおかしくなってしまってから結構な時が流れたが、未だに何かが起きる気配はないが、彼らが元に戻ることもなかった。

 そんな二つの異常事態の中心近くに居合わせた筈の俺だったが、このデュエル・アカデミアで何が起きているのか知る術はなく、何のアクションも起こせないでいた。

 このままでは駄目だと、いずれ高田の時のようになってしまうのではないかと、俺の中の勘はそう告げているものの、何も行動に起こせず日常生活を送っていた。

 その二つの異常に目をつぶれば、今のデュエル・アカデミアはナポレオン教頭が、未だに一部生徒アイドル化を画策している以外は平和なものだった。
……むしろナポレオン教頭のことは、生徒の間では一部の不定期開催のイベントだと認識されているが……

 閑話休題。

 現状でのデュエル・アカデミアの平和は逆を言えば、このデュエル・アカデミアを何かしらの事件に巻き込みたい等を考えている人物は、俺以外の生徒にバレないように水面下で準備を進めていることになるのだが……まあそれは、俺の考えすぎだろう。

 そんなわけで、俺は若干の不安を感じつつも、異常事態に関しては、『待ち』を選択するのであった……



 ……そして今日は、前出のナポレオン教頭の不定期開催イベント……ではなく、一部生徒アイドル化計画によるデュエルが始まるため、俺は三沢と観客席に座っていた。
噂には疎いせいで、翔のラー・イエロー昇格デュエルを始めとする不定期開催イベントのデュエルは見逃してしまうこともあったのだが、今回は親しい人がナポレオン教頭の被害者になったということで、なんとか現場に居合わせていた。

 中央のデュエルフィールドに立っている二名は、我が友人でありながらオベリスク・ブルーの女王、天上院明日香と、妹分の中等部飛び級生徒、早乙女レイだった。

「大丈夫か、あの二人がタッグデュエルだなんて……」

 今回明日香とレイが行うことになったのはタッグデュエル。
それも、相手は一人で明日香とレイはタッグという変則タッグデュエルだった。

 明日香とレイが負けたら、その対戦相手と三人でナポレオン教頭の考えた企画に乗り、明日香とレイが勝てばその時点で企画はボツとなるということだった。

「明日香くんが攻撃、レイくんが防御とコントロールを担当すればなんとかなるだろう」

 隣の席で腕組みをして座っている三沢が、いつも通りに主観を述べてくれるが、俺が心配なのはデッキの相性とかそういう問題ではなく、言うなればプレイヤー同士の相性の問題だった。

「あいつら……たまに笑顔で火花散らしあってるからなぁ……大丈夫なのか?」

 しかも火花を散らし合う時は、大体俺を挟んで散らし合うことが多い……俺が
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ