暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX−音速の機械戦士−
―アイドル決定戦―
[2/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
何をした。
そんな俺に、三沢は何かを含むような笑いをこぼしながら、俺の所見を否定した。

「いや、明日香くんとレイくんは普段は仲がいいさ。遊矢が絡んでいる時は感情的になっているが」

 確かに、普段は明日香が姉でレイが妹で何の違和感も無いほど仲が良い。
最初に会った時、いきなり怒鳴り合いした後にデュエルに発展したのから考えれば、とても喜ばしいことだ。

「それは分かってるけどな……っと、対戦相手が来たな」

 デュエルフィールドの明日香とレイが立っているところとは逆の場所に、対戦相手が歩いてきた。
対戦相手の格好と容姿を簡単に伝えるならば、『騎士』という言葉がもっとも相応しいだろう。
更に詳しく言うならば、中世ヨーロッパ風の騎士の正装だった。

 騎士は指を天高く掲げ、観客席に呼びかけた。

「君たち……この指の先には何が見える?」

『天!』

 全員で打ち合わせをしたかのように、タイミングバッチリでオベリスク・ブルー女子から声が挙がる。

「んんんんん〜〜ジョウイン!」

 ……あー、今更説明する必要も無いとは思うが、まあ、一応言っておくと対戦相手は騎士のコスプレをした吹雪さんだった。
今回のナポレオン教頭のイベントの被害者はこの三人で、容姿・成績ともに優れた三人をアイドル化させたかったらしい。

 その計画に明らかに悪ノリした吹雪さんが加わった結果、もはや専用の衣装まで持ちだす始末であった。
それを、自分たちの勝手なアイドル化反対を表明した明日香とレイがデュエルを申し込み……今に至る。

「兄さん……はぁ」

「あはは……


 兄である吹雪さんの奇行にため息をつく明日香に、苦笑いをして若干引くレイ。
そんな二人に、ナイト吹雪さん(自称)は向き直った。

「もう一度だけ言おう。君たちがアイドルになれば、確実に君たちの想い人を含めた世界中の人々のアイドルになれる! それを拒むのか!」

「……アイドルなんて嫌よ!」

「恋する乙女は、一人だけの愛で良いんだから!」

 ナイト吹雪さんの問いに、二人は拒絶の意志を表明しながら、デュエルディスクを展開した。
……しかし明日香、答えるのに少し間があったが、もしかしてちょっと興味あるんじゃないのか……?

「それでこそ、我が妹に弟分の妹……だけど、ナイトは負けないからナイトだ!」

 吹雪さんもわけのわからないことを言いつつ、負けじとデュエルディスクを展開する。
もちろんデュエルディスクにもきちんと塗装がしてあり、騎士の姿にも違和感なく溶け込んでいる……あれが噂の、無駄に洗練された無駄の無い無駄な技術だろう。

 ……ああ、ちなみに、ナイト吹雪さんが言う弟分とは俺のことで、何故だか俺のことをそう呼ぶ。
そうす
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ