第三章
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叔父は実際に毎月悠一の家に来る様になった、それもその日に今日行くと電話で言ってこちらの了承も得ずに来てだった。
お邪魔しますも言わず家の中でふんぞり返り大飯を夜と晩に平気で喰らい自分の部屋や父、弟の部屋に平気で入り本を漁る。そして読んだ本に偉そうな顔で上から目線であれこれ言う、そして自分を甘やかす悠一の祖母つまり自分の母から金を貰って帰る、そうした姿を悠一に見せた。やはり宗派への批判めいたものは繰り返し言った。
その中で悠一は叔父が悠一から見て大叔父になる脳梗塞の後遺症で満足に動けない人に窘められて殴ってやろうか等と言い恩義や仁義とは無縁の暮らしを人に金をせびりつつ暮らしていた。だがそのうちに。
叔父は働いていないが為に人にせびっていた金だけでは自分の満足する暮らしが出来なくなりサラ金に手を出して住んでいる団地にいられなくなり家をそのままにしてホームレスになった、後始末は父や宗派の人達がしてだった。
ホームレスになっていたところを探されて宗派のある寺で厄介になることになった。この時は大人しかったが。
やがてまた宗派の悪口を言う様になり宗派の人達から嫌われだした、そして彼がかつて殴ってやろうかと言った叔父が悠一が大学を卒業して地元の企業に就職して働きはじめた時に再び脳梗塞で倒れ今度はこの世を去ってしまった葬式の時に。
お葬式の後の昼食の時に参列者達が出されるお弁当を食べている時に大叔父の家族達がいる場に悠一が慕っている西宮のおばちゃん達も呼ばれていた、家族の場だったのでそこは上座だったが。
叔父はそこに自分から普通におばちゃん達の真横即ち上座に来た、悠一はここで自分の向かい側の席にいる父に問うた。
「あれ何だよ」
「見てわかるだろ」
これが父の返事だった。
「おっちゃん上座に上がってるんだよ」
「あそこは家族の場所だろ」
悠一は叔父を横目で睨みつつ父に問うた、見れば皆叔父を白い目で見ているが平気なものだ。そうしてだった。
中学生の子に自分の弁当の残りものをやろうかとか言っていた、その子も怒った顔でいらないと言っていた。
それも見てだ、悠一は言うのだった。
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