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SAO編−白百合の刃−
SAO24-雪の温度
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私に借りを返しなさいよ」
「別に期待してないから! つか、その台詞おかしくない!? 九本もカタナを斬った台詞!?」
「そうよ! 借りを返してとは言わないけど、たまにドウセツを招いて食事とかしているじゃない!」

 まるで姉妹がシンクロするように揃って反論してきた。
……リズベットはともかく、アスナの主張はなんだ? 反論にしては弱過ぎだ。真正面から受け止める気はないので軽く流すことにする。

「いろいろあって、借りを返さない気が済まないからそうしているだけよ」

 …………。
 ……言えるわけないじゃない。
 私がその人に憧れてしまったなんて……そんなこと誰にも言えない。
私には似合わないし、そんなこと言えるような人でもない。
だから、アスナにもリズベットにも、当人にも言えない。自分自身さえも、その人に憧れているんだと自覚したくはない。

「で、そんなことよりいくら払えばいい?」
「あ、そうだったわね……えっと……」

 リズベットは悩んでいた。今までの弁償代を計算しているのかと思っていた。

「…………」

 けど、悩んでいるわりには時間がかかり過ぎる気がした。
もしかして計算苦手なのか? そんな頭でよく経営してきたんだと皮肉した。
 おそらく一分は経過してはないが、ようやくリズベットの中で答えが出たようだ。

「お金は…………いいや」
「は?」
「お金はいいって言っているの」
「……あらそう」
「なんでいつもそんなにあっさりなのよ…………」

 予想外であったが、タダにしてもらえるなら、それはそれでありがたいと受け入れることにした。

「でも、その変わりの条件があるからね」
「嫌よ」
「そこは受け取りなさいよ! 条件はあたしの相談料。あたしが悩んだら相談するから聞いてよね」
「だったら、お金を払ったほうがよかった」
「うるさい! 人の親切受け取ってよ、そこは!」

 なんでリズベットの悩みを私が聞かなければならないのよ。アスナだけでもうるさいのに……。
 私以外の相談役に適していそうな人いそうなのに…………こんなことになるのだったら、昨日のうちにリズベットの印象を悪くしとけばよかった。
 相談しなければ良かったなんて、思わない私は甘すぎるのね。
 結局、甘ちゃんなことに、なに一つ変わっていないんだわ。

「リズベット武具店は赤字まっしぐらね」
「九本も無駄にしたんだからね、ちゃんと相談とか聞いてよね!」
「はいはい」

 ふとアスナを見れば少しオロオロしていて、その顔が本当にアホっぽかった。

「えっ、相談って……ふ、二人共いつの間に親しくなったの?」
「別に親しいわけじゃないわ。一方的にリズベットがアホなだけだから」
「アホって何度も何度も言うな!
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