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SAO編−白百合の刃−
SAO24-雪の温度
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! 仮にもボス並の強さなんでしょ、あの白いドラゴン!」
「正確に言えばワイバーンよ」
「どっちだってドラゴンじゃない!」

 リズベットが言ったように『デットマウンテン』に現れた白竜はフロアボスクラスに入るほど強いほうでしょうね。
 でも、アスナが普通に負けるような相手ではない。
 血聖騎士団の団長であり、SAO最強とも言われているヒースクリフ。血聖騎士団副団長で、最強のギルドと呼ばれるようなった指導者でありながらヒースクリフと同等の強さを持っているイリーナ。そんな団長の変わりに迷宮攻略をまとめるもう一人の副団長アスナが、前線よりも下層のフロアボスに簡単に負けることはない。 
 現に今だって、自分のHPバーを減らすことなく白竜のHPバーが半分を下回っているのだから。

「いくらアスナが強くても、もしもの時とかあるでしょ!?」
「ないわ」
「言い切るな!」

 逆にどんなトラブルがあるっていうのよ。もうすぐ終わる戦闘にアスナがバカみたいに油断して、危険な状態を晒すようなバカで傲慢ではない。
リズベットには言い切ってしまったが、とはいえ、誰も予想しない出来事が起こってしまった場合、アスナはどうなるのだろうか? そんなことはないと思いつつも、さっさと終わらせたい気持ちからか、私はカタナに手をかけた。

「アスナ、あとは私がやる! 確実に仕留めたいから、素材をこっちに持ってきてほしいんだけど?」
「うん! わかった!」

 素直に承知するアスナはスキルを使わずに、細剣で見切れない速さの突きを繰り出して、白竜をこちらに近づけように誘導させる。少しぐらいは文句言うかと思っていたけど、文句がないならそれはそれでいいや。

「リズベット、貴女は離れなさい。普通に邪魔だから」
「邪魔で悪かったわね。てか、な、なにするの?」
「仕留めるのよ、一撃で」

 呆然とするリズベットを余所に、左足を下げ、左手は鞘に、右手は柄に手を当て、居合いの構え、集中。
 私の『居合い』スキルはちょっと特殊で、一気に抜けば無数の剣閃が描ける抜刀術。速さと手数を武器にするスキルであり、一点集中するような一撃は少ない。
 でも、少ないだけであって、大きな一撃を与えられる力技も存在する。当たり前の話だけど、基本的に居合いは初撃が外れてしまえば大きな隙が出来る。
 逆に言えば、それさえ抑えれば何も問題なく協力な一撃必殺のダメージを与えることができる。
今、アスナが白竜を私の射程内に誘導している。私がどんな『居合い』スキルを使用するかなんて伝えてないのに、私がやることをお見通しているように上手いこと運んでいる。
 私が血聖騎士団にいた頃、強制的にアスナと一緒に行動して、一緒に連係をしたからか、単にアスナが私のことを見抜いているだけなのかな。
 いち
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