第六章
[8]前話
今回は成功して世界的にも話題になった、食糧問題にとってもいい解決となりひいてはバイオエネルギーにも話がつながった。
それでだ、こう言ったのだった。
「植物の方がいいか」
「生物を巨大化させるよりもですね」
「考えてみればな」
「大きな生物はその分食べますしね」
渡辺は保志に冷静な顔で答えた。
「習性はそのままで巨大な身体で動くので」
「厄介なものにもなるな」
「彼等もそうですし」
猫達だけでなく兎もだった、それぞれのコーナーで巨大な姿でそれぞれの生物そのままの動きをしている。ただそれだけだが巨体なので動く都度物凄いパワーが動いている。
「そう考えますと」
「生物よりもな」
「植物の方がいいです」
「生物は養う為に餌が必要だしな」
「彼等実際に物凄く食べますしね」
渡辺は今も猫達や兎を見ている、ちなみに兎の名前は白兎なのでイナバとなっている。
「そう考えますと」
「植物の方がいいな」
「そういうことですね」
「では今度は西瓜を大きくするか」
保志はあらためて述べた。
「そうするか」
「それでもっと食べられる様にしますか」
「中身はそのままの濃さでな」
大きくてもスカスカでなく、というのだ。
「そうなる様にしていこう」
「では今度は」
「西瓜だ、さてそろそろ時間だしな」
保志は今度は自分の左手の腕時計で時間をチェックして言った。
「猫達と兎に餌をやるか」
「そうですね、では猫達にはキャットフードをあげて」
渡辺は早速ポリバケツ一杯のキャットフードを二つ、猫二匹分出してきた。
そしてだった、キャベツを何十個も出して言った。
「兎にも」
「餌をあげるか」
「そうしましょう、大きくなっても生物は生物ですから」
「命があるしな」
「しかも我が研究所にお客さんを呼んでくれてマスコットでもありますし」
「大事にしないとな」
「命あるのなら」
その大きさに関係なくとだ、こうした話もしてだった。
保志は巨大西瓜の研究をはじめる前にまずは渡辺と共に猫達や兎に餌をあげた。二人共そこは忘れていなかった。
巨大兎 完
2019・7・14
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