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久し振りに一緒に
第五章

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「着いたね」
「うん、お家にね」
「私お家に帰ったらすぐに着替えるから」
 美樹は一誠に話した。
「それで今日お兄ちゃん大学の講義午前中だけだし」
「そうなんだ」
「だから多分だけれど」
「登志夫さんお家にいるんだ」
「それでお部屋にいると思うわ」
「そうなんだ」
「だからね」
 それでというのだ。
「若しお兄ちゃんのお部屋にお邪魔するなら」
「北条さんのお部屋にも?」
「着替えた後ならいいから」
 その時はというのだ。
「待ってるわよ」
「いや、俺今日宿題あるから」
 学校のそれがというのだ。
「だからね」
「うちに来ないの」
「ちょっと無理だよ」
「塾もないわよね、今日ない」
「ないけれど」
 そちらもというのだ。
「けれどね」
「宿題があるから」
「しかも今日多いし」 
 その宿題がというのだ。
「だから無理だよ」
「夜にしないの」
「宿題はすぐにする主義なんだよ」
 家に帰ってすぐにというのだ。
「もうね」
「そこは変わらないね」
「忘れないうちにしないと」
 こうしたことはというのだ。
「忘れるからね」
「それでなのね」
「もう家に帰ったら」
 それこそすぐにというのだ。
「やるよ、あと明日の予習もね」
「するのね」
「俺も少しでも成績よくしたいから」
「だからよね」
「ちゃんとそうしたこともしてるよ」
「そうなのね」
「うん、じゃあ宿題と予習してから」
 それからとだ、一誠は美樹にあらためて言った。
「ひょっとしたらね」
「私のお部屋来てくれるのね」
「登志夫さんのお部屋だから、登志夫さんにメールして」
 その本人にというのだ。
「行くから」
「お兄ちゃんにメールしてなの」
「ちゃんと事前に断ってからいくから」
 そこは守るというのだ。
「ちゃんとね」
「そのこともずっと一緒ね」
「そうしないと駄目だから」
 基本的な礼儀は抑えなくてはならないというのだ。
「だからだよ」
「私は穂香ちゃんとお互いいつもだけれど」
「北条さんは北条さんだよ、じゃあね」
「うん、またね」
 美樹は一誠に微笑んで応えた、そうしてだった。
 その微笑みをにこりとさせて一誠にこうも言った。
「また一緒に帰ろうね」
「えっ!?」
「こうした機会があったら。高校も大学も同じところに進学して」
 そうしてというのだ。
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