その36
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動に、これ以上の問答は危険だと、直感的にそう判断する。
今は、それは、まだ早いはずだ。
何故ならナルトの気持ちが伴っていない。
「もう、十分頼っているだろう!いいからもう行け!寝かせろ!」
「うん。邪魔しちゃってごめんね。おやすみなさい」
サスケから遠ざける為に不機嫌を装えば、ナルトは素直にそれを信用して引き下がった。
だが、ナルトの声には隠し切れない喜色が滲んでいた。
しっかりとそれを把握しつつ、ナルトの気配が遠ざかった自室で、サスケは深く溜息を吐いた。
精進せねばならない。
今のままのサスケでは駄目だ。
ナルトの挙動にサスケこそが心を惑わされてしまっては意味がない。
それではいけない。
いけないと思う。
今までも、ナルトには、振り回されてばかりなのだから。
ナルト自身は、そんな事は微塵も察していないのが救いではあるけれど。
ならば、どのようになれれば、サスケの望みを叶える事になるのだろうか。
どうすれば、ナルトを護る力を手に入れる事になるのだろうか?
兄を殺す為の力を求めるのは答えが解かり易かった。
ナルトを護る為に、その力も必要だろうと判断できる。
でも、きっと、多分それだけでは足りないはずだ。
ならば、これからは何が必要なのだろう。
どうすればいいというのだろうか。
きっと、ナルトの話に沿うならば、兄をこの手にかけずともいい。
むしろ、兄の鼻をより明かせる。
だが、兄がサスケに望んだのは、一族全てを手にかけた兄に対する断罪者という存在だ。
断罪は、復讐として命を絶つことだけではないのだろうか。
生かす判断も、復讐になり得るのか?
それは、ナルトの、恨みはあれど、それでも人の命を奪いたくない自分に対する誤魔化しだとばかり思っていたのに…。
答えの出ない煩悶を感じつつ、サスケは睡魔に身を委ねていった。
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