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NARUTO 桃風伝小話集
その36
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身のサスケが容易く接触できる相手ではない。
そうなると、書物やうずまきについて記された巻物の類から情報を得るしかないが、ナルトの能力は、うずまき一族の血継限界ではないのか?
そう考えたのは、サスケ自身が血継限界継承者だからだ。
サスケの受け継ぐうちはの写輪眼のように、うずまき一族とは、ナルトのような人間を輩出する一族ではないのか。
うずまき一族とは、なんだ。
それを知らぬから、ナルトは己を化け物と断じるのではないだろうか。
それに、もしそうならば、常に狙われ戦禍に晒され離散したという、うずまき一族の辿った道に納得出来る。
己を見透かす人知を超えた存在など、恐怖の対象でしかないはずだ。
排斥に動くのは、当然の流れだ。
だが、同時に、そうではないという予感も感じている。
己の一族ではないサスケのうちは一族について、あれほど詳細に語ることができたのだ。
うずまきについても同様の筈。
そう考えて、サスケは直ぐにその考えを否定する。
それならばナルトは己をうずまきとして誇りこそすれ、化け物と蔑むことは無いはずだからだ。
つまり、ナルトの見せた異能は、うずまきに由来するものでも、人柱力に由来するものでもないという仮説も成り立つ。
あるいは、ナルト自身、己の一族であるうずまき一族について、詳細を知らないか、だ。
それならば、どちらであっても、ナルトは己を化け物と蔑む事に繋がる可能性があげられる。
だが、ナルトの口振りから察するに、より可能性が高い推測は、ナルトの異能は、うずまきに由来するものでも、人柱力に由来するものでもないという仮説の方なのではないだろうか。
異能の所以と由来と答えをナルト自身も持っておらず、そんな自分にどこか恐れを抱いている。
だからこそナルトは、自分の事を化け物と称しているのだろう。
つまり、ナルト自身、己の異能に確たる答えを持たず、常に不安と己に対する猜疑に苛まれ続けている。
だからあれほど己を『化け物』と卑下し続けているのではないだろうか。
あのウスラトンカチが。
一抹の苦々しさと共に苛立ちながら、そのように、ナルトに関しての一応の結論をサスケが出した時だった。
「はい、サスケ」
「…ああ」
寝室のベッドの上で身を起こして考え込んでいたサスケの傍に、いつの間にか控えていたナルトが、昨夜の長時間に及ぶ幻術行使によって寝込んでしまった術者であるサスケに、うちはに伝わる疲労回復丸を差し出してきた。
サスケの母に伝授されたそれを、サスケの為に調合してきたのだろう。
出来立ての丸薬特有の柔らかさが見て取れた。
ほんの少し、術者である自分と違い、昨夜の幻術効果の影響を微塵も感じさせずに、こうしてサスケの世話を焼けるほどぴんぴんしているナルトを妬ましく思う気持ちが湧く。
同時に、こうして寝込んでしまっ
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