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NARUTO 桃風伝小話集
その36
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話の数々をサスケに語ったのが他でもないナルトでなければ、サスケは語られた内容を全て一笑に付して、見向きもせず、一顧だにしないと断言できる。
今でさえ、あまりの荒唐無稽さに、サスケは少し半信半疑だ。
けれど、それで納得できてしまう部分も確かにあるのだ。
うちは。
千手。
そして木の葉。
どれほど真偽があやふやでも、情報は情報だ。
早々にナルトの話の真偽を確かめねばならないと決意した。
それと、ナルト自身についてもだ。
サスケに対して、こんな嘘を吐いたり、謀るような事をする人間ではないと確信している。
ナルトはそんな度胸のある人間ではない。
悪戯や悪ふざけが目的ならばその限りではないが、これはその質が違う。
それでも、忍として、念の為に確認はしておかねばならないだろう。
そもそも、ナルトは何をどこまで見通している?
対した人間の思惑全てを見通すのか?
記憶や心の裡まで?
それなら、六道に関連する事柄は何処から得てきた。
九尾からなのだろうか。
一体、ナルトの知識の源はなんなんだ?
そう疑問を浮かべる度に、己をあっさりと化け物と称し、サスケにそう認識する事を勧めてきたナルトを思い出し、サスケは不快感に包まれ、むかっ腹が立つ。
今更そんな事がサスケにできるとナルトが本気で考えているならば、それはサスケに対する侮辱に他ならない。
だが同時に、理解したこともある。
ナルトは己を化け物だと認識しているということだ。
尾獣を封印された人柱力という理由に因らず。
つまり、ナルト自身、自分は異常であると認めている。
その原因は、ナルトがサスケに語った情報の数々。
だが、もしもナルトの異常を人柱力であるという事に求めるならば、一応の説明がつかない訳ではないとサスケは思う。
木の葉の初代人柱力は、ナルトと同じうずまき一族の直系の出で、遠見の巫女と呼ばれていたと聞く。
つまり、遠見とは、こういう事でもあったのだろうか。
だとするならば、初代人柱力と似た力を宿すナルトの出自は、それなりの由緒があるに違いない。
ナルトにうずまきの血を与えたのは、ナルトの母であるうずまきクシナ。
優れた人柱力として名を馳せていた、うずまき一族直系の、うずまきミトの後継として選ばれるのならば、それは同じくうずまき一族直系の人間でしかない。
それなりに血の濃い人間が選ばれているはずだ。
当時はまだ、渦潮隠れの関係も友好的だったはず。
ならば、ナルトもうずまき一族直系のその血を継いでいる。
そもそも。
そう、そもそもだ。
うずまき一族とはどのような一族だったのだ?
うずまき一族が戦禍に離散した今となっては、詳細に語れる者は少ないはず。
うずまきに縁深い木の葉にも、居るかどうか。
居たとしても、里の重鎮。
うちはとはいえ、未だ下忍の
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