その36
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の一つと聞かされればなおさらだ。
そして、ナルトの抱える柵と事情は、木の葉とうちは一族、それに六道仙人に絡まりすぎていた。
否も応もなく。
九尾の人柱力であるが故に。
うちはであるサスケは、ある程度生まれながらに業を背負っているのは自覚していた。
一族について、詳細を語られず、教えられていなくともだ。
実の兄だからこそ、その兄がサスケに望んだものに応えてやると、そう決意してサスケは修羅の道を征く事を志した。
サスケも、兄と同じうちはであるのだから。
だが、ナルトは違う。
うずまきとはいえ、いや、一族が戦禍によって離散したうずまきだからこそ、一族の柵もなく、自由に思いのままに生きられると思っていた。
人柱力として、多大な枷を里から嵌められていても、サスケのように望まぬ修羅の道を歩まず、人柱力だからこそ、里で守られる道を選ぶ事も可能だと、むしろ何故それを選ばないと、そんな風に考えていた所もあった。
だからこそ、サスケと同じように復讐を志し、強さを求めるナルトに燻る物を感じざるを得なかったのだが、ナルトの話を聞いて得心した。
ナルトがサスケと同じように、望まぬ修羅の道を歩もうと努力する理由も、その為に必死になって己を誤魔化し、修羅たらんと無駄な努力をしている事も、全ては、巨大な敵に狙われた己の命を護る為だったのだ。
ナルトの話が真実ならば、死にたくなければナルトは死に物狂いで強くなるしかない。
相手がうちはであればなおさらだ。
抗するために、どれ程強さを求めたとしても、おかしな話ではないと、うちはの一人でもあるサスケも思う。
ナルトのその判断は、妥当であるとサスケも認める。
自分の修行相手に、サスケに目を付け、求めた判断もだ。
それに、ナルトの話が真実だろうが真実では無かろうが、嘘偽りない事実として、人柱力であるナルトは、ナルトの中に封じられた九尾を抜かれれば、体内のチャクラバランスを崩して死に至る。
それは避けようのない事実だ。
そしてナルトは、木の葉を抜けた兄が属しているという、暁なる不穏な組織に、自分が狙われていると警戒している。
それに対抗するために、サスケ同様、兄を超える力を求め続けている。
暁がナルトを狙うのは、ナルトに封印されている九尾が目当てで、ナルト自身の命を狙っている訳ではないが、それでも九尾の人柱力にされてしまったナルトにとっては同じことだ。
そして、その結末が、サスケの聞かされた下らない物の実現に繋がっているのだとすればなおさらだ。
そんなあほ臭く下らないものの為に、そうやすやすと己の命を差し出せる訳もない。
それは分かる。
だからこそナルトはああまで強さを求め、力を付ける事に拘るのだろう。
それは、ナルトを側に置き続けると決めたサスケにとっても全く持って冗談ではなかった。
昨夜、あの
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