その36
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波の国から帰って来て。
自分の今後について、真剣に考えたそのついでに。
今まで棚上げしていた問題を解消してしまおうと思い立ち、サスケはナルトに今まで避けてきた兄についての話を振った。
どんな話をされても、あの頃、ナルトにはサスケの家に正式に引き取る話があった事を報せる事と、その兼ね合いで、うちは御用達の武器商人の猫バアと顔繋ぎさせると決定はしていた。
今までサスケはその辺りの事は、威力はともかく、なんとかナルトにうちはが得意としてきた豪火球の術を仕込めた事でよしとするつもりだったが、波の国での一連の出来事で気が変わった。
ナルトは自分の傍に置く。
そう決意した。
ならば、今まで背を向けてきた、ナルトの与太話にも向き合わねばなるまい。
そんな思いで、今まで敢えて避けていた話の水を、意を決して向けてみたのだが。
そうして語られたナルトの『与太話』は桁が違った。
真実かどうかも定かでは無ければ、証拠も碌には無いという。
それもまあ納得の話ではあった。
気安く公言すれば、気の触れた狂人扱いが良い所だろう。
そんな前提の、ナルトの口から語られる荒唐無稽な話の数々に、サスケは圧倒されてしまって、昨夜は碌に疑念を挟む事は出来なかった。
ただひたすら、ナルトの話に耳を傾けることしかできなかった。
正直、なぜナルトがそんなことを知っているのか、という疑問はある。
だが、ナルトの話に大人しく耳を傾け続けたその対応は正しかったと確信できる。
どれほどうちは一族のサスケにとって信じがたく受け入れ難い話であっても、それを語っているのは他でもないサスケの傍に置くと決めたナルトなのだ。
真偽はともかく、一度はきちんと全てを聞いておかねばならない。
そんな一抹のその思いだけを胸に、不安そうに、恐る恐るサスケに語りだしたナルトの話を聞いてやっている内に、サスケはふいに気付いた。
ナルトの語ったその話が、真実かどうかが問題ではない。
ナルトが語るそれを、ナルト自身が真実だと、ナルトが確信している事こそが問題だと。
九尾の保証のある話など、と、思いはするが、それでもナルトの話によれば、尾獣はそもそも六道由来の物だという。
うちはの血を継ぐサスケにとっても無視はできない。
その上、納得できない話でもない。
個人的にはそんな大昔の因縁など、今を生きるサスケ達には関係ないと断じられるが、あいにくサスケはその六道の血を継ぎ、瞳力を継ぐと自負するうちは一族の直系でもある。
同じように六道の血を継ぎ、後継者を自負し、うちはと争い続けてきたという千手一族との因縁すら含んでいると聞かされては、無視しきる訳にもいかない。
そうして、ナルトの話を聞けば聞くほど、サスケには自分を取り巻く環境に納得と反感を覚えざるを得なかった。
何より、それが、兄が凶行に走った因
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