第五十六話 卒業式の前その十四
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「千里もね」
「小柄なままなのね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「仕方ないわよ」
「そうなのね」
「だからね」
もうこのことは諦めてというのです。
「そういうことでね」
「このままでいくしかないのね」
「そうよ」
結局それしかないというのです。
「背のことはね」
「あと五センチどうしてもだったのに」
欲しかったのにです。
「残念ね」
「まあそれはね」
「諦めてなのね」
「こうしたことはどうしようもないから」
「身体のことは」
「そう、だからね」
お母さんはまた私に言いました。
「そこは気にしないで」
「他のことになのね」
「いさんでいくのよ」
「大学に入っても」
「そうしてね、それにね」
「それに?」
「うちの大教会は女の子は成績がいいの」
私にこんなことも言ってきました、ここで南の礼拝堂の前まで来たのでそれで二人で礼をしました。
それからです、お母さんは私にあらためて言いました。
「千里も高校の成績よかったしね」
「普通に勉強してただけよ」
「それでも女の子はね」
「成績がいいの」
「全体的にね、天理高校でも教校学園高校でも大学でもね」
天理教関係の学校全てです。
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