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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第10話:マジックショー、開幕
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右にあるレバーを操作しそれまで右手の形をしていたハンドオーサーを左手の形に変えた。

 瞬間、ベルトから歌が流れる。

〈シャバドゥビタッチ、ヘンシーン! シャバドゥビタッチ、ヘンシーン!〉

 奇妙な歌が流れるの中、颯人は左手に白いハンカチを被せる。一秒にも満たない刹那の時、颯人がハンカチを取り去るとそこには中指に装飾が赤い宝石の指輪が嵌められた左手があった。いつもながらの見事なスピードマジック、だがそれに拍手を送るものは誰も居ない。

 手品に何の反応もない事に少しつまらなそうにしながら、彼は中指に嵌めた指輪の装飾を動かした。まるでカバーを掛ける様に装飾を動かすと、指輪の装飾がまるで仮面の様な見た目に変わった。

 そして彼は、その言葉を口にする。愛する者を守る為、己の身を変える為の呪文を。

「変身」
〈フレイム、プリーズ。ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!〉

 呪文と共に左手をハンドオーサーに翳し、その手を真っ直ぐ真横に上げた。すると左手の先に赤い魔法陣が現れ、ゆっくりと移動して彼の体を通過していく。

 光と炎で描かれた魔法陣が彼の身を通過したその時、彼の姿は変わっていた。

 カジュアルなスーツは黒いロングコートに変わり、頭は銀の縁取りがされた赤い宝石のような仮面で覆われている。

 弦十郎達二課の者達は、モニター越しにその姿を凝視していた。シンフォギアとは異なる、未知なる力を。

 その未知なる力を最も間近で感じているのは言うまでもなく奏達だ。颯人はまだ姿を変えただけだと言うのに、その身からは今までに感じた事のない力強い何かを彼女たちは全身で感じていた。

 3人は直感した。あれが魔法なのだと。

 自然と、奏の口は動いていた。

「それは……その姿は…………?」
「ウィザード…………魔法使いウィザードさ」

 奏の問い掛けに、颯人──ウィザードは仮面の奥で自信に満ちた笑みと共にそう告げた。

「さぁ、タネも仕掛けもないマジックショーの開幕だ」

 迫りくるノイズの群れを前に、ウィザードは余裕を感じさせる声色で告げるとウィザーソードガンを構え引き金を引く。次々と放たれる銃弾がノイズを撃ち抜き、炭素の塵へと変えていった。

 だがノイズが居るのは地上だけではない。上空にも飛行型のノイズは居る。無数の飛行型のノイズ、フライトノイズが上空から体を捻りその身を槍の様に変えて一気に地上のウィザードへと突撃していく。

「ッ!? 颯人、上だッ!」

 上空から迫る危機を奏が警告する。それにウィザードは上を見上げ、迫る脅威を確認すると慌てず騒がず右手の指輪を別の物に付け替えて新たな魔法を発動した。

〈ディフェンド、プリーズ〉
「よっ!」

 ウィザードが真上に手を翳すと
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