その35
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ナルトの言う『くの一の修行』に付き合ってやるのは悪くない。
それに、これはナルトにサスケを意識させるのに使えるかもしれない。
「何って、お前、修行に付き合って欲しいんだろ?感謝しろよ。オレが付き合ってやる」
ナルトの理屈に添って、サスケの建前を告げてやれば、見る間にナルトの勢いが消沈した。
「し、修行…。そうだけど、でも、だけど…」
目の前で動揺と混乱と羞恥で目を白黒させて、しどろもどろになっているナルトに、サスケの中の何かが刺激されていく。
これ以上は逆効果だと判断しながら、もっとナルトを追い込んでしまいたくなる。
「何ならもう一度してみるか?」
楽しく浮かれる気持ちを苦労して抑えながら、ナルトの耳元に囁くように提案すれば、傍目からでも良く分かるくらい、ナルトは極端にびくついてサスケから飛び退った。
「い、いいってばね!変な事言い出して悪かったってばね!私も忘れるから、サスケも忘れてってばね!!」
真っ赤な顔で必死に叫ぶナルトは、どうやら色仕掛けは自分にはまだ早く、向いていないと言う事に気付いたようだ。
だが、今更、こんな美味しい状況を、サスケが逃す訳もない。
「はあ?何を言い出してるんだ、お前。これは修行なんだろ?」
「そ、そう、だけど…」
ナルトの迂闊さにつけ込む挑発の言葉を投げ掛ければ、サスケの言葉に納得して丸め込まれかけたナルトが、思い直したように食ってかかってきた。
「こんなの、予想外だし!なんでサスケの方からしてくるんだよ!!」
真っ赤な顔で食ってかかってきたナルトの言い分から、ナルトがサスケにどんな立場を求めて居たのかを察して不機嫌になる。
想いが通じあった後だというなら、そういう立場に甘んじてやるのも吝かではないが、根本的な大前提の話として。
「馬鹿か、お前。男が常に受け身で居られるかよ」
サスケのその言葉にナルトが絶句して、目を丸くした。
そこへ、だからこその難しさを説いてやる。
「だから、色任務は適性のある者がより重要視されんだろ。良く考えろよ。この程度の事で動揺するお前に、色任務が本当に務まると、本気でそう思うのか?それに、忍なら、わざわざ色を利用せずに任務こなせて当たり前だろ?違うか?ナルト」
サスケの言葉を吟味するように、素直に沈黙して考え込む単純なナルトに、サスケは少し愉快になる。
とはいえ、容赦なく色々な物への布石は打たせてもらう。
隙を見せるナルトが悪い。
そして、だからナルトはサスケが手に入れる。
そう決めてしまったのだから。
「お前のその修行、今まで通りオレがきちんと全て付き合ってやるよ。全部返り討ちにしてやるから、精々精進しろよな」
サスケの宣言に、赤い顔で目を見開いて固まっているナルトに、止めとばかりに笑いかける。
サスケの不敵な笑みに、言葉にならないらしいナ
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