その35
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そう思った時だった。
「だって、くの一の戦法の一つだし。口移しって」
「…は?」
ナルトのその言葉に、サスケは思わず硬直した。
なんだ、それは。
サスケの戸惑いなど知らず、ナルトは滔々と、いつものように、忍ありきの言葉を続けていく。
「どうやって口付けしながら、口に含んだ薬を違和感なく相手に飲ませられるか、考えてても良く分かんないからさ、サスケが嫌じゃなければ、その修行にも付き合って貰いたかったんだけど、やっぱり、無理だよね。だったら、やっぱり、おじいちゃんに付き合って貰うしかないかなあ…?」
そう言って首を傾げて考え込むナルトに、サスケの頭は真っ白に染まっていた。
考える間もなく、思わず驚愕が口から飛び出していく。
「はあ!?ナルト、お前、何を言い出してる!?自分が何を言い出してるのか、分かっているのか!?」
サスケの思考は混乱で支離滅裂になり、何が何だか良く分からなくなっていた。
確かに、忍として、色仕掛けは戦法の一つとされてはいるが、それに従事して事を為すのは、主に諜報活動を主とする忍である事が多い。
ナルトもサスケも下忍である事を思えば、里から割り当てられる基本的な任務内容から判断して、ナルトの考えは全部が全部誤りではないが、適性面から言えば、決定的な誤りが存在している。
うちはであるサスケと、人柱力であるナルトが所属し、写輪眼を有するはたけカカシが隊長を務めるこの班で、人柱力のナルトが色仕掛けをせねばならない局面は絶対に生まれない。
そうなる前に、サスケとカカシで大抵事は全て片付く。
確かに、スリーマンセル解消後、サスケとナルトが個々に任務を受けるようになったならば、そういった局面もあるかもしれないが、女の人柱力であるナルトが、そういった任務に従事する可能性は酷く低い。
あり得ないくらい低い確率だ。
どちらかと言えば、幻術に適性を持ち、容姿も整っていて、何だかんだ打たれ強くて負けん気が強い方の、春野サクラに適性があり、そちらに振られる確率の方が高いだろう。
ナルトは駄目だ。
忍としての意欲は買うが、そもそもナルトは人慣れしていず、精神面が安定していない。
安定しているように見せ掛けるのが酷く板については居るが、ナルトはそもそも突発的な出来事に弱い。
簡単な駆け引きめいたやり取りをこなせなくはないが、本来、ナルトに取ってはそういったものは苦手な筈だ。
そして、何より、情に篤い。
何かを切り捨てる事を元々苦手にしている質である事が容易く見てとれるナルトが色任務に回されれば、容易く相手に絆されて、情を移すのが考えなくても目に浮かぶ。
その上、万が一にも妊娠した場合の処遇も、人柱力であるナルトの方が枷が大きい。
となれば、ますますナルトは色任務からは遠ざけられる。
それは、血継限界を有するうちはの最後の一
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