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NARUTO 桃風伝小話集
その35
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、ならば先に、あの爺が文句を言えないような正当な立場を、サスケが手に入れてしまっておけば良いだけの話だ。
ナルトの持つ、里の柵を、ナルトから切り離す事にも繋がるのだし。
最終的にそう断じつつ、知らなかった事を知ったサスケは、昏く、不愉快な気持ちに支配されていった。
サスケが知らないうちに、ナルトは既に、もうあの爺に口付けていたとは。
「………へえ」
ナルトのこの様子では、色が絡むものではあるまい。
それは見えても、何故だか訳もなく不愉快だ。
酷く面白くない。
しかも、あの爺の次にとはいえ、サスケだけではなく、イルカの野郎にもするつもりだったとは!!
大方聞き知った情報を単純に考えて、思い付きで相手を喜ばそうと実行してみただけだろうが。
いや、サスケに限って言えば、機嫌取りも含まれるか?
母の入れ知恵とはいえ、『仲直りのおまじない』とやらを実行しようとナルトは思った訳なのだから。
それでも、ナルトがサスケ以外の男を、サスケと同じ方法で喜ばそうと思っていたという事が面白くない。
先程、ナルトに笑いかけられていた男の存在を知った時と同じくらい、腹が立つ。
非常に、不愉快だった。
「嫌だった?」
恐る恐る尋ねてきたサスケの顔色を窺うようなナルトの表情に、サスケのささくれだった気持ちは大きくなっていった。
サスケにそうするのは許せるが、他の男にするのは駄目だ。
許せないとそう思った。
「お前、二度とこんな事するな!」
「え…」
鋭く睨み付けながらナルトにきつく言い付けると、ナルトは不満そうな顔になり、次第に悲しげな表情になっていった。
その表情の移り変わりに、ほんの少しどきりとする。
何か悪い事をした気になった。
サスケはナルトを手に入れると決意したが、まだ、ナルトを手に入れた訳では無いのだから。
誰にも譲る気は無い気持ちが、少し滲んでしまった。
早まったか?と、少し焦りを感じた時だった。
「うん。分かった。サスケにはもうしないよ。ごめんね、サスケ。サスケが嫌な事しちゃって…」
明後日の方向にサスケの言葉を解釈したナルトが、申し訳なさそうにそんな事を口走ってきた。
ナルトのその言葉にサスケは思わずぎょっとした。
サスケ『には』?
「おい、ナルト!どういう意味だ、それは!?」
「え、何が?」
思わず意気込んでナルトに詰め寄れば、サスケの勢いに気圧されるように、ナルトが呆気に取られてきょとんとした表情になった。
無防備なナルトの表情に胸を擽られつつ、問い質すのが先決とばかりに、苛立ちを隠さずナルトを詰問する。
「他の奴にはするのか!」
「う、うん」
サスケの勢いに戸惑いつつも、素直に頷いたナルトに、サスケの頭に血が上った。
言葉が足らずにナルトを誤解させたのはサスケだが、誤解したナルトを許せないと
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