その35
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、サスケの胸に使命感が沸き上がった。
兄の事も捨て置けないが、母の遺したナルトの事も捨て置いてはならない!!
うちはの恥にならぬよう、サスケの側に置いて、厳重に管理しておくべきだろう。
幸いナルトはサスケの母を慕っていて、息子であるサスケの事もそれなりに慕っているのに違いはない。
まだ、ナルトの気持ちはその段階まで育ってはいないが、それでもナルトも嫌とは言うまい。
いや、これからも、言わせないようにすればいい。
そもそも一族が存命だったのならば、今頃ナルトは『うちは』の名を冠していたのだし。
予定通りと言えば、予定通りだ。
何処にも問題は何もない。
強いて言えば、兄の件だが、それにはナルトも同道させてしまえばそれでいい。
そういえば、ナルトは、その件について、何か知っている素振りだった。
それにまだ、ナルトはサスケに何か隠している事もあるようだし。
この際だ。
ついでにそれも諸共に吐かせてしまおう。
その方が色々と都合が良い。
いずれにしても、最後に残る厄介な問題は、里の柵だ。
まず、それをどうするかを考えよう。
ナルトを問い詰める傍ら、サスケがそんな事を考えていた時だった。
ちらり、と。
ナルトが自信無さげに、サスケを上目遣いで見上げてきた。
「でも、男の人って、女の人にキスされるの好きなんでしょう?僕、一応、女だし。サスケ、男だし。私がサスケにキスしても、サスケはそんなに嫌じゃないと思ったの」
初めて見るナルトの、サスケへの甘えと媚びを滲ませた仕草に、忙しなく胸を掻きむしられながら、サスケは必死に平静を保った。
ナルトをサスケの側に留めて置く為にも、これ以上、ナルトにサスケが振り回される訳には行かない。
ナルトをサスケが制御できるようにならなければならないのだから。
そう、サスケは考えていたのに。
サスケの気も知らず、ナルトはいつも通りに、ナルトが行動した理由の全てを打ち明けてきた。
「この前おじいちゃんにもしてあげたら、なんか、すごく喜ばれたから、サスケとイルカ先生にもしてあげたら、喜んでくれるかなって…」
不安そうに全てを吐き出し、全身でサスケに、嫌?嫌だったの?サスケは喜ばなかった?どうしよう、嫌われた?と、無言で尋ねているナルトの姿に、サスケは少し沈黙した。
火影のジイさんならば、さもありなん。
初めてサスケに寄せられる、ナルトからの甘えの滲む行動の威力を確認しながら、硬直した頭の端でサスケはそう思った。
三代目火影の猿飛ヒルゼンは、サスケから見ても、大分ナルトに肩入れしているのだから。
あれはもう、娘や女孫を溺愛する爺に近い。
ナルトの側に居るというだけで、碌でもない疑いをかけられる事もあるサスケは、そう断じる。
今後、あの爺の疑いを全面的に否定する訳にも行かなくなるのは不満だが
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