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NARUTO 桃風伝小話集
その35
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と解放した。
「約束だよ!ちゃんと私の修行に付き合ってね?」
きらきらと目を輝かせて、きちんとサスケと今まで通りの距離を取り、サスケの顔を覗き込んできたナルトに、サスケはどっと疲労を感じた。
「お前…」
「何?」
きらきらと輝く青い瞳は、無邪気でもなければ、無垢でもない。
ナルトのけろりとした得意げな顔は、今のはナルトのサスケに対する嫌がらせだと告白している。
これがナルトの本性だったとしたら、随分と質が悪いのではないだろうか。
思わず、深い溜め息が、サスケの口から漏れた。
今までの流れからするならば、これは恐らく、サクラの件をナルトに強いたサスケへの、ナルトからの報復のつもりだろう。
まんまと騙されて、良いように振り回された。
どこからが仕込みだ。
まさか、最初からじゃないだろうな!?
ああ、そういえば、あの時、カカシの姿で捨て台詞を吐いていたな。
事の詳細の裏に思い当たり、サスケはしてやられた屈辱を噛み締めながら、深い深い二度目の溜め息を右の掌に顔を埋めながら吐いた。
今までの疲労が押し寄せ、気力が尽きかけていた。
今回については、サスケにも非が無い訳では無いのを悟ったので、大人しく屈辱に甘んじておいてやるが。
ナルトもサスケも忍とはいえ、もう、二度と、サスケにこういう事はやらないよう、ナルトにきつく言いつけておくべきだろうか。
そのままの体勢で、サスケが今後のナルトが取るだろう行動について、考えを巡らせて吟味していた時だった。
「そんなに、嫌だった?」
「は?」
ナルトが、何かを訊ねてきた。
ナルトの声音に宿った不安げな調子に惹かれて顔を上げたサスケは、ナルトの困惑したような表情に、もう一つ悟った。
ナルトは自分の行動がここまでサスケを打ちのめすとは、全く考えて居なかったようだ、と
「私の胸って、そんなに嫌な感触だったの?」
それを証明するかのような、消沈しながら小さく繰り返されたナルトの問いに、サスケは気が遠くなりかけた。
嫌か嫌じゃないかで言えば、嫌じゃない。
悪い気はしなかったのが本音だが、そんな事を口に出せる訳が無い。
サスケに何を言わせるつもりなのか分からないナルトに対する憤りで、言葉が詰まる。
「やっぱり、僕、九喇嘛の人柱力だから、他の女の子達とは違う身体だったのかな」
だが、ぽつり、と漏らされた一言に、サスケの意識が惹き付けられた。
「サスケ、他の女の子達に抱き付かれた事あるよね。その時と比べてどうだった?何か違う所があったら教えて。僕、化け物だし」
何かを諦めたように苦笑しながら、淡々と、忍具の出来を尋ねるかのような調子でサスケに問うナルトの姿に、サスケは咄嗟に、慰めにもならない妙な事を口走ってしまっていた。
「お前は別に化け物じゃない!ちゃんと、お、女の身体をしてると思
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