第二章
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「本当に」
「そこから大喧嘩になられて」
「今もですね」
「ゲーテさんとは言い合っておられますね」
「相変わらず」
「一度人と衝突したら続くからね」
それがやたら起こるだけでなくというのだ。
「気難しくもあるからね」
「しかも頑固ですしね」
「頑迷と言っていい位に」
「ご自身が折れることはほぼないですし」
「人のお話も聞かれないですし」
「耳が悪いからと言うけれど」
よく言われるその耳の話もした。
「それとは別だよ」
「そうですよね」
「この場合は」
「人のお話を聞かれないということで」
「また別ですね」
「性格の問題だよ」
そちらの話になるというのだ。
「この場合は」
「はい、本当に気難しい方で」
「一度の衝突でやけに考え込まれて」
「ご自身が折れられることはまずなく」
「人のお話も聞かれないので」
「だから人と一旦衝突したら」
それが常のことであってさらにというのだ。
「続く人だから」
「そこが問題ですよね」
「ゲーテさんのことも」
「他の方とのことも」
「とにかく難しい方ですね」
「生きにくい人だよ」
甥は叔父のことについてこうも言った。
「とてもね」
「いい部分もありますが」
「清廉潔白な方で」
「そして世の中のことを真面目に考えられていて」
「啓蒙的な方です」
「それはいいけれど」
それでもとだ、甥は話した。
「これ以上はない位に生きにくい人だよ」
「そのせいか周りは嫌う人が多いですね」
「敵も多い方です」
「それも非常にです」
「そうした方ですね」
「うん、それで今回は」
何故叔父が怒っているのか、甥は本題に入った。
「どうしたのかな」
「朝からです」
「何か随分と不機嫌で」
「これもよくあることですが」
「そしてお昼前にになるとです」
「一度外出されましたが」
それでもというのだ。
「すぐに激怒された顔で帰ってこられて」
「ああなってしまわれました」
「また下らない理由かな」
甥は首を傾げさせつつまた言った。
「どうでもいい様な」
「そうでしょうか」
「この度のことも」
「やはり」
「そうかな、けれどね」
それでもとだ、甥は話した。
「ずっとああだと嫌だからね」
「たまったものではありません」
「私達にしても」
「旦那様の癇癪はいつもにしても」
「それでもです」
「この度は普段より酷いですから」
「ここはね」
甥は少し考えてから使用人達に話した。
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