キミが産まれた日(雪音クリス誕生祭2019)
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れで動揺もせずにここまで出来ているのだから、クリスは驚きで口を開いてしまう。
「よくそんな短期間で身に付けたな!?」
「当然だよ。だって、クリスちゃんを緊張させる訳にはいかないだろう?僕がエスコート出来るよう、最大限に備えておかなくちゃね」
「あっ、あたしの為に!?……そっか……ははっ、やっぱりジュンくんはすげぇな……」
純の王子様ムーブは、こうしてどんどん磨きがかかっていくのだろう。
クリスと再会する。その夢は叶ったが、彼の夢のゴールはそこではない。
”クリスにとっての王子様でいる為に“、彼は未だ己を磨き続けているのだ。
あらゆる分野に手を伸ばし、必要なあらゆる技を磨き、クリスの事を常に慮り、その心を叶える為に努力する。
純は今でも、夢に向かって歩いている途中なのだ。
「あたしも、頑張らねぇとな……」
「クリスちゃん?」
「なんでもねぇよ。冷める前に食べちまおうぜ!」
そして二人は、運ばれてくる料理に舌鼓を打つ。
前菜から始まり、スープ、魚料理、口直しのソルベ、肉料理と、次々に皿が運ばれてくる。
値が張る分、その味は絶品だ。
味わいながらも純は、その味を盗……もとい再現出来ないものかと思案していた。
「ジュンくん、もしかして、これ家でも作れないかって思ってたりすんのか?」
「バレてるか……。流石はクリスちゃんだね」
「まあな」
以前とは比べ物にならない程のテーブルマナーで、周りを汚す事無く綺麗に食事しながら、クリスは純の方を見つめる。
「ここの料理、確かに美味いけどよ……あたしの一番は、やっぱりジュンくんの作るモンだから……」
「クリスちゃん……」
「だから、その……。その……えっと……」
肝心な所で吃ってしまう。
クリスは心の中で、自分自身を必死に鼓舞していた。
(頑張れ……!頑張れよ、あたし!ジュンくん以外に聞かれることはねぇんだ!別にあいつら居ねぇんだし、ここは素直に言うべきだろ!?ぶちかませ!!)
息を深く吸い込んで、そして吐き出す。
何とか心を落ち着けると、クリスはその言葉を伝えた。
「だから、これからもずっと変わらない、ジュンくんの味でいてくれ!あたしが救われた味は……あたしを暖めてくれるあの味は、ジュンくんだけにしか出せないんだから!!」
「クリスちゃん……」
……自分がつい、大声を出してしまった事に気が付き、慌てて周囲を見廻す。
見れば、周りに座っている紳士淑女は、温かい視線をこちらに向けている。
勢いで立ち上がってしまったのも含めて恥ずかしくなり、席に座り直す。
彼に恥をかかせてしまったんじゃないか?
迷惑をかけたんじゃないか?
不安と共に彼の顔を見ると……
口
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