暁 〜小説投稿サイト〜
夢幻水滸伝
第百十七話 枢軸の者達の素顔その九
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「どうだ、男前だろう」
「熊人としてやな」
「そうだ、どうだ」
「まあそうちゃうか」
 小泉は懐石料理の中の豆腐を食べつつ応えた。
「自分でそう思うんやったら」
「起きた時は中々のイケメンで通っている」
「自分で言うか」
「自分で言ってこそ全てがはじまる」
 小泉に笑って返した。
「違うか」
「そんなモンか」
「わしはそう思う」
「ならそうか」
「ははは、ドフトエフスキーらしいな」
 今度は大柄なバーバリアンの格闘家が言ってきた、拳法着だが真っ赤でありその胸には熊と象からなる枢軸の紋章がある。天雄星イワン=ゴーゴリーである。ロシアソチ出身であり職業は格闘家である。彼もまたロシア五将軍の一人である。
「自分で言うところは」
「それは貴方もでは」
 ゴーゴリーには横溝が応えた。
「自分で言われるのは」
「そうだな」
 ゴーゴリーは飲みつつ応えた。
「おらもな」
「自分で言う方ですね」
「そこはどうも控え目なロシア人気質とはな」
「ちゃいますね」
「どうもな、しかしロシア人は酒がな」
 これがというのだ。
「本当に好きだ」
「逆にお酒がないと」
「どんな政権でも潰れる」
 その大きな口で飲みつつ言うのだった。
「そうなってしまう」
「この世界でもですな」
「多分な、だからおら達もな」
「まずお酒ですか」
「それを出している」
 まず最初にというのだ。
「お酒はロシアの命だ」
「そこまでのものですか」
「そうだ、そしてこの日本酒も」
 ゴーゴリーはこちらの酒の話もした。
「美味いな」
「そうや、日本酒もまた美味い」 
 田山は実際にその日本酒を飲みつつ話した。
「ワインやビールもええが」
「ビールは酒か」
 こう言ったのは鎧を着たマミーだった、見ればドフトエフスキーよりは小柄であるがそれでも背は一九〇は普通にある。天猛星ボリス=ツルゲーネフである、ロシアノヴゴロド出身であり職業はバーサーカーである。やはりロシア五将軍の一人である。
「うちは違うと思う」
「酒やが」
 田山はそのツルゲーネフに即座に反論した。
「何でそう言える」
「軽い」
 これがツルゲーネフの主張だった。
「アルコール度五パーセントではな」
「結構あると思うが」
「アルコール度十一パーセントはないとな」
「酒やないか」
「そうだ、ましてや日本でよく缶のチューハイはな」
「あの甘いカルピスサワーとかか」
「あれはジュースだ」
 ツルゲーネフは断言した。
「その証拠に幾ら飲んでも酔わない」
「それはロシア人だけやろ」
「ビールもだ」
「そやからロシア人やからやろ」
 田山は蟹と胡瓜の和えて酢で味付けをしたものを食べつつ反論した、尚味は全体的に素材を活かした薄味である、

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ