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ソードアート・オンライン クリスマス・ウェイ
ボス攻略(2)
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を行っている。
 アスナが引き付けているウェンディゴの周辺に、リバフを終えた盾役がじりじりと距離をつめていた。
 アスナと盾役がスイッチすれば、ウェンディゴは逆に壁際に縫いとめられることになる。

「壁際……か。ALOの仕様に縛られすぎてたな……」
「んんっ? おにいさん、どうし……?」
「いや、いまのナイスアイデアかもしれないってさ。ユイ!」

 手を挙げてユイの名前をよぶ。すぐさま涼やか翅音と一緒に桃色のワンピースに身を包む《ナビゲーション・ピクシー》が姿を表した。さきほどまでアスナに一緒にボスの攻撃タイミングをささやいたり、伝令役としてメイジ隊、ダメージディーラーの間を忙しく飛び回っていたユイだが、アスナが前線にでているので今はちょっとお暇を貰っているらしい。

「なんですか、パパ――ふにゃっ!?」

 俺の眼前からユイの姿がかき消えた。あれ、どこ行ったと周囲をみわたすと興奮した声が隣から。

「な、ナニこの子やっぱりかわいい! 君さっきおにーさんの頭にいた子だよね!」
「うううっ、ちょ、パパ! たすけ――」

 ユイは白コートアバターの腕に収まっていた。驚愕すべきは――俺ですら見切れないほど素早くユイをさらっていった白コートの俊敏能力だったが、とりあえず白コートの掌からユイをスナッチ。目を回しているユイに言う。

「ユイ。あいつの弱点――クリティカルポイントに攻撃したときのダメージ比率、わかるか?」
「え、ええっと……一度だけ偶発的ではありますが、クリティカルポイントにクラインさんのソードスキルがあたっています。そこからHPの減少効率を計算すると、大体物理攻撃で三倍強のダメージ期待値ですね……データが少ないので属性攻撃分のダメージ上昇率までは判断できませんが……それがどうかしました?」
「ユイ……いっこ聞きたいんだけど」

 ユイの眼を見つめて聞いてみる。

「ユイは、あの家に早く帰りたいか? あいつをとっとこぶっ倒す、妙案があるんだけどさ――」

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