その34
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ってても、サスケは嫌な気分にならない?大丈夫だよね?」
受かれていると良く分かるふにゃけた声で、ふざけた事を宣い始めた不安げにこちらを見てくるナルトに、サスケは反射的にそれはこちらの台詞だと言いたい気持ちをぐっと堪えて飲み込んだ。
苛々と、訳もない腹立ちが込み上げてくる。
ナルトの境遇を思えば、ナルトのこの反応も順当だし、サスケ的にも助かる筈なのに、ウスラトンカチなナルトの反応に、サスケの不機嫌が蓄積していった。
ナルトは決して鈍くはないし、察しも悪くは無い筈なのに、どうしてこう、肝心の所がどうしようもなくドベでウスラトンカチなのか!
それに救われていない時が無いとは言わないが、何故なんだ!?
理不尽な不満をサスケが抱え込んでいた時だった。
「あのね、サスケ」
あからさまにサスケに向かって、ナルトの甘えた声が掛けられた。
「僕、サスケにお願いがあるの」
「な、何だ!?」
初めて聞くような甘ったるいナルトの甘えた声に、サスケは度肝を抜かれた。
反射的にナルトの声に反応を返す。
挙動不審なサスケの反応には頓着せずに、ナルトは願いとやらを口にしていく。
「あのね、私、本当は女でしょう?だからね、本当はくの一としても修行しなくちゃいけないんだ」
くの一の修行。
そう聞いた瞬間、サスケは妙に嫌な予感を覚えた。
ナルトの言葉は、忍の物としては当然なのだが。
ナルトの言わんとする事が掴めず、サスケはナルトに聞き返す。
「それがどうした」
「ミコトさんがね、少しだけ私に基本を教えてくれてて」
ナルトの口から出てきた母の名に、ついついサスケは真顔でナルトを見つめた。
「ヒナタが今まで補則してくれてたんだけど」
ナルトの説明に、サスケは長らく疑問だった、母とナルトの距離の近さと、ナルトが母にあれほどまでに懐いていた理由を漸く掴んだ。
成る程。
だからか。
とても腑に落ち、ナルトの中にも、料理と調薬以外の、うちはの忍としての何かが、母の手によって、幾分かは受け継がれていたのだな、と。
ふとサスケが改めて思い立ったその時だった。
「実践が足りてないの」
実践。
その言葉に、サスケが感じた嫌な予感が爆発的に膨れ上がる。
ナルトの願いと、サスケに持ち掛けたこの話。
まさか!
サスケが勘づいたその瞬間。
「独りで修行してても良く分かんないし。だからさ」
「断る!!」
皆まで言わせず即座に断りを入れたサスケの反応に、ナルトがむっと不機嫌そうに唇を尖らせた。
「僕まだ最後まで全部言って無いじゃないか!」
普段通り、不満を告げるナルトの姿にいつも通りを感じ取って、深く安堵する気持ちも無いではないが、ナルトに負けず劣らず不機嫌を露にサスケは断じた。
「オレにその修行に付き合えって言うんだろ!?断ると言っているんだ!」
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