その34
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しげなナルトの声がサスケの耳を打った。
「だから、ちょっと受かれちゃってたの。私がサスケを特別に思ってるのと同じように、サスケも私を特別に思ってくれてるって」
「は!?」
誰が誰を何だって!?
ナルトが口を開く度、サスケの心臓が痛いほど跳ね上がる。
それは一体どういう意味かと、ナルトに問い詰めてやりたくなる。
今までのナルトの言動からすれば、ナルトの言っている事は、子供の頃のままごとめいた友達ごっこの延長だろう。
だが、ナルトは女で、サスケは男だ。
ナルトの言葉は、女が男に向かって言うには意味深過ぎる。
嬉々として食事の支度をしたり、家の中の事をこなしている記憶の中のナルトの姿が、嫌でもサスケにナルトを意識させる。
ナルトもサスケも、もう、子供という訳ではない。
忍として公に認められているし、何より、ナルトは、子供から女の仲間入りを果たした。
サスケもそれは同様だ。
もう、お互い、子供のままでは居られない。
サスケは強くそれを感じている。
現に、目の前のナルトは、鮮やかな薄紅色の女物の衣装を纏っていて、それが良く似合っている。
なのに。
「でも、それは僕の勘違いだったんだよね?」
今まで通りの付き合い方を望んでいると、無言で主張するナルトの問いかけに、サスケはナルトの顔じっと見つめた。
「ごめんね、変な態度サスケに取っちゃって」
そして、申し訳なさそうにしながら、悲しげに表情を曇らせて俯くナルトに、サスケはとうとう抑えきれずに、自分の中のナルトへの疑問をぶつけてしまっていた。
「お前、オレをどう思っているんだ」
「え?サスケの事?」
きょとんとしたナルトの表情に、嫌な予感がサスケに生まれた。
しまったと思った時は遅かった。
目の前で、サスケに対する好意を表すように、花が開くようにナルトか笑う。
「すごく好き!」
あっけらかんと告げられた直球の好意は、サスケの胸を撃ち抜いた。
正直、これからナルトをどう扱えば良いのか、分からなくなる。
手離せないと、ナルトは決して失えないと、自覚して、認めてしまったばかりなのに。
兄への復讐も、まだ、これからなのに。
ほんの少し、サスケが迷いを感じた時だった。
ナルトが更に言葉を重ねて来た。
「今まではさ、僕、サスケに隠し事してたから、バレたらどうせサスケに嫌われちゃうと思って、何も言わなかったんだけどね、僕、サスケか大好き!」
にっこりと笑顔を浮かべたまま、繰り返されたナルトからのストレート過ぎる好意に、サスケの頬に血が上った。
どうにも座りが悪くて落ち着かない気持ちになっていく。
正直に言えば、ここまであからさまな好意は、はっきり言って悪い気はしないし、サスケもナルトは嫌いじゃない。
薄々ナルトから寄せられるサスケへの好意には、サスケも気付いていた
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