その34
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ナルトの真っ赤な顔と潤む瞳を視界に入れないようにしながら、サスケは思う。
確かに、その通りだ。
ここまでサスケがナルトとの付き合いを続けていたのは、ナルトの様子を監視する目的もあったからだ。
それに、女と知りつつ、サスケがナルトの側に居る事が出来たのは、ナルトが周りから男だと思われて居たからだ。
そうでなければ、サスケは四六時中好き好んで女と行動を共にしていた事になる。
その上、ナルトはサスケの家の中の事まで、気付けばあれこれ手を出すようになっているのだ。
正直、助かってもいる。
ナルトの作る飯は旨い。
包み隠さず正直に言えば、出来ればサスケも、飯は三食ナルトの作った飯がいい。
だが、この現状は、端から見れば、それがどういう風に見えるのか、ナルトは気が付いていたと言うのか!?
それを推しても自分の側に居たいとは、ナルトは一体何を考えている!?
ナルトは一切を全く意識してはいないと判断していたからこそ、サスケはナルトの行動を放置していたと言うのに!!!!
思ってもみなかった衝撃に、言葉が浮かばない。
顔に血が上り、動けなくなる。
妙に口の中が干上がり、飢えたような喉の渇きを覚えて、サスケは喉を鳴らした。
「でもさ。サスケ、僕が女だって知ってても、今まで全然態度変えずに僕と一緒に居てくれたし!それって、サスケも僕と一緒に居るの嫌じゃないし、わりと楽しいって思ってくれてるし、私、女のままでも今まで通りサスケと一緒に居て良いって事だよね?僕、嬉しい!」
頬を染めて、心の底から嬉しそうに、女物の装束に身を包んで、花のように笑うナルトに、サスケは否定の言葉をかける事が出来なくなる。
ナルトが本気でそう思っているのが分かるから、余計にだ。
サスケは元々、里の人間にナルトの性別が公になるような事があれば、ナルトと今まで通りの付き合いを続けるつもりは更々なかった。
そもそも、いつの間にか近付いてしまった今のナルトとの距離も、サスケにとっては近すぎて、大分落ち着かない物なのに。
それを誤魔化す物が何もなくなる。
自分の中の何かに流されそうになる。
ナルトと共に居るのは、意外と心地良いのだ。
サスケだって、実はナルトとの関係を気に入っている。
自分に向けられる、何の下心もないナルトの好意はむず痒い。
子供の頃のままの、純粋な好意だろうから、余計に質が悪い。
突き放すのが困難だ。
とはいえ、自分がナルトから疑いようもなく慕われているというのは、悪くない気分なのだ。
何故、ナルトにこんなにも好意を持たれているのかだけは、サスケとしても疑問だけれど。
それでも、どうすれば良いのか分からなくなったサスケは、そんな自分がナルトにバレてしまわないように、にこにこと眩しい笑顔のナルトから、そっと目を逸らした。
その時だった。
少し寂
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