その33
[9/9]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
き止んだナルトが、恥ずかしそうに頬を染めながら、おずおずとサスケに話し出した。
「あのね、サスケ。本当はね、アカデミー在学中にミコトさんがおじいちゃんと話つけてくれててね?私、無理に男の振りしなくても良くなってたの」
「何!?」
寝耳に水の情報に、思わずサスケは仰天した。
ならば、何故、ナルトは男の振りを続けていたと言うのか。
里の機密と言う訳ではなかったのか!?
本人は気付いて居ないようだが、女とバレそうになっていたフォローを、不承不承影からしてやった事も一度や二度じゃない。
それが機密じゃなくなっていただと!?
驚愕に目を見開いて硬直したサスケに向かい、ナルトは申し訳なさそうに身を竦めて謝罪してきた。
「ごめんね。いつからかは分かんないけど、きっとサスケも私の事が皆にバレないように気を使ってくれてて、私のフォロー入れてくれてたんでしょう?ありがとね、サスケ」
照れたようにはにかみながら言われた礼に、サスケは振り回されていた腹立たしさをぶつける事が出来なくなってしまった。頬を染めてサスケに微笑むナルトは、サスケが手を貸していたということを疑ってもいない。
信頼にも似た気持ちを向けられ、居心地の悪さを感じ始めていた。
ナルトの言葉は、概ねその通りでもある事だし。
それでも、見透かされたばつの悪さに、思わず視線が泳いだ。
「お前、なんで男の振りを続けていた」
「だって、サスケの側に居たかったんだもん」
「はっ!?」
落ち着かない気持ちを誤魔化すように、ナルトから目を逸らしつつ、咄嗟に詰問したサスケに返された言葉は、サスケを混乱させるのに十分な威力を持っていた。
「だって、サスケ、僕が女だって知ったら、今まで通りに一緒に居てくれなくなっちゃうって思ったんだもん!僕、サスケと一緒に居るの楽しかったから、一緒に居たかったんだもん!」
羞恥で瞳を潤ませ、赤い顔で自分を見上げて、必死に主張してくるナルトに、サスケは言葉を失くし、無言で立ち尽くした。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ