その33
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い態度で下らない理由によってサスケにつっかかるナルトに関わる面倒に、サスケは苛々としてきた。
その時、それまで涙混じりでもサスケを睨み付けて来ていたナルトが、諦めたように萎れて、悲しげな表情になって項垂れた。
「分からないなら、本当に良いんだ」
小さい声でそう呟き、顔をあげて無理矢理作ったと言わんばかりの笑顔を浮かべたナルトに、サスケは何か悪い事をしたような気になった。
なにもサスケは悪い事はしてはいない筈なのに。
理由が分からず、混乱する。
でも、ナルトがサスケに激情をぶつけてきた時から一転、何かを諦め、傷付いているのが分かった。
そして、ナルトを傷付けたのは自分である事も。
その事実に、サスケは人知れず動揺して戸惑う。
そんなサスケに、ナルトが胸の内を語り始める。
「僕が、木の葉の里で名前を呼び捨てる相手は、今までも、これからも、ずうっとヒナタとサスケだけで、他の人はこれから仲良くなる事があっても、名前は呼び捨てしないって、僕が勝手に思ってただけなんだ。だから、本当はサスケは何にも悪くないんだ。サスケの言う通り、たかが名前の呼び方だもんね。ごめんね、サスケ。僕、サスケに甘えちゃってて、それで変な態度取っちゃってたみたい」
涙を浮かべた瞳に悲しみを揺らめかせながら、必死に笑顔を作ろうとするナルトの言葉に、サスケは衝撃を受けた。
言われてみれば、確かに。
たかが名前の呼び方だ。
けれど、まさか、ナルトがそんな風に考えているとは思わなかった。
確かにサスケは、ヒナタと並んで、ナルトの懐に大切にされているとは自覚があったが、そうか。
成る程。
サスケは甘えられていたのか。
自覚すれば確かにナルトの行動は、全てサスケに対する甘えだ。
甘え以外の何者でもない。
自分を理解しないサスケに苛立ち、癇癪を起こしていたのか。納得すれば、胸に浮かんでいくのは、どこか照れ臭いむず痒さと、きちんと気付いて甘やかしてやれなかった反省だ。
成る程。
タズナの親爺が一家言ぶつだけはある。
年の功は侮れない。
意味不明なこのナルトの行動が、自分に対して甘えていたとは思わなかった。
盲点だった。
そう言えば、確かに幼い頃、自分を避けて構ってくれない兄に向かって、サスケ事実、怒りを覚えた事もあった。
成る程。
そうか。
そうだったのか。
自覚すればするほど、サスケの胸に、ナルトに甘えられていた事実が広がっていき、どうしたら良いのかわからなくなる。
ついつい目が泳ぎ、ナルトから目を逸らしてしまった。
思えばナルトは昔から、木の葉の里に住む人間達が好きではないと言っていた。
一度だけだが、憎悪すら語られた。
ヒナタという例外が出来た事で、サスケは少し、ナルトの負の感情について、見誤って居たのかもしれない。
少し、サクラの件つい
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