その33
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でならば、それ以上サスケだって関わろうと思わないが、ついさっき、この状態のナルトを放置する厄介さを実感したばかりだ。
きちんと向き合わなければならないだろう。
なのに、ナルトは、それをサスケに直接ぶつけているのに、サスケと向き合おうとしていないのだ。
ナルトらしくもない、訳の分からないナルトの態度に付き合うのも、いい加減、面倒になってきていた。
「オレに関係ないと言うなら、いい加減機嫌を直せ!そうじゃないなら理由を言え!」
少々語気を強めにナルトに怒鳴り付けたサスケは、目の前でみるみる盛り上がっていったナルトの涙にぎょっとなった。
泣かせようと思った訳では断じてない。
そもそも、普段のナルトなら、この程度で泣きはしない。
なのに、ナルトは今、たっぷりと涙の膜を瞳に張り、唇を尖らせて、今にも泣き出そうな顔のまま、ナルトは消沈してサスケを睨み付けてくる。
そんな顔でナルトに睨まれなければならない心当たりなど何もないサスケは、思わず怯んで身を強張らせた。
「だって、サスケは、僕が誰を呼び捨てにしてても気にならないんだろ!?」
「……あ?」
「僕は木の葉の人間で呼び捨てにするのは、ヒナタとサスケだけって決めてたのに!僕が何をどう思ってもサスケは全然気にしないんだろ?!」
感情的に吐き出しながら、とうとう我慢出来なくなったらしく、ナルトはポロポロと涙を流して泣き出していた。
思わずサスケは言葉に詰まった。
「サスケがそう思ってるなら、別にいいもん!私にはまだヒナタが居るもん!サスケなんか、僕だっていらないもん!」
そう強がりを言いつつ、ポロポロと泣きながら、あまりにも子供っぽい駄々を捏ねるナルトに、サスケは呆気に取られて呆れていた。
常々、ナルトにはどこか子供じみた所があると思ってはいたが、これではイナリと同じくらい子供なのでは無いだろうか。
名前の呼び方が一体なんだと言うのだ。
呼び方が少し変わった程度で、心の距離までが変わるわけでもあるまいし。
確かに影響が無いでもないが、それを制御するのが忍だろう。
ナルトもそれを理解している筈なのに、何故、今サスケに感情をぶつけてきた。
呆れたサスケは、悔しげにサスケを睨みながら涙を拭うナルトを、冷めた目で見詰めていた。
「お前、何をそんなにムキになっている。たかが名前の呼び方だろうが」
「だから、別にもう良いって言ってるだろ!?サスケのバカ!」
口ではもう良いと言いつつ、ナルトの雰囲気はちっとも納得しているようには思えない。
罵倒される腹立たしさに関わりたくないと感じても、見たことの無い状態のナルトと、ナルトの目に浮かんでいる涙が、ここで放って置くことを躊躇わせる。
今のナルトは、変な虫が寄り付きやすい。
面倒は、避けるに限るとサスケは思う。
とは言え、こんな子供っぽ
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