その33
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れて、一人夜中に泣いている。
サスケの家に泊まった時は、そのままこっそりサスケの部屋に忍んで来ている事もある。
気付いていて、でも、出来るだけ、サスケはナルトのそういう所を見ない振りをしていたけれど。
だからこそ、ナルトもサスケとの距離を詰めようとしてこなかったのだろう。
サスケ自身、自覚はしていた。
だが。
だからこそ。
こんな風に ナルトの感情を、意外と長期間に渡って、サスケに直接ぶつけられるのは初めてで、サスケは少し困惑していた。
そもそも、マンセル仲間に選ばれた春野サクラの事を、ナルトはなんだかんだと言いつつ、それほど嫌いでは無さそうだった。
ヒナタ程気が合う相手では無さそうだったが、一応、マンセル仲間として、サスケに窘めを飛ばして来る程度には、認めているようだったし。
だからこそナルトへの里の疑念を晴らし、なおかつ、円満な今後の任務の為に、少しナルトに口出しをしたのだが、何か読み違えてしまったのだろうか。
「別に?サクラは好きじゃないけど、嫌いでもないよ」
どこか拗ねたような声で、つっけんどんに返しながら、ナルトは腰掛けていた堤防から飛び降りた。
そのまま、サスケを一瞥もせずに、歩き始める。
意地でもサスケを見ようともしないナルトの態度に、思わずサスケは眉を顰めた。
人当たりの良い外面を持ちながら、その実、とても負けず嫌いで人見知りで、そして、警戒心の強いナルトの複雑な性格の事を忘れていた。
そんなナルトにとって、大して好きでも嫌いでもない相手を呼び捨てにするのは、もしかしたら、とても抵抗のある事だったのかもしれない。
そもそもナルトは、里人に良い感情を持っていなかったし。
だが、ナルトは、あっさりとサクラを呼び捨てにするようになった上、サスケには入り込めないような、女特有の仲の良さを見せるようになっていた。
ナルトの懐に入ってさえしまえば、サスケやヒナタに対するように、ナルトは深い好意を明け透けに向ける面もあるから、サクラはきっと、ナルトの懐に入れたのだろう。
ならば、何故、ナルトの機嫌が悪いのかが分からず、サスケは頭を悩ませた。
「お前、何をそんなに怒っている」
結局、サスケは考えるのを止め、ナルトに直接問い質した。
その途端、どこか傷付いたような光を瞳に宿し、怒りで頬を紅潮させてナルトは振り向いてきた。
「別にサスケには関係無いだろ!?僕が何をどう思ってたってさ!」
「なら、なんでそんなにオレにつっかかる!オレが何をした!」
一瞬、見たことのないナルトの表情にドキリとしたが、いつも通りの拒絶の言葉に苛立ちを堪え切れなくなっていた。
いつもならば、そう言ってサスケを拒絶するナルトは、もう機嫌を直しているはずなのに、明らかに今のナルトは怒っている。
サスケの何かに苛立っているのだ。
今ま
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