暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン クリスマス・ウェイ
攻略準備(2)
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「じゃあ、十分後に突入します。よろしくおねがいします」

 アスナは会議終了を宣言する。少々熱を入れすぎてしまい、当初三分で終了する予定を四分近くにまで伸ばしてしまった。
 へーい、やら、はーい、やら、それぞれの応答をした妖精剣士の姿を確認しアスナは、攻略会議のじゃまにならないよう安全地帯の壁際にたってくれていた親友に近づいていった。

「おわったよー。リズ!」

 ちらりと周囲を見回してみるが、同じように壁際に立ってくれていたはずのキリト、クライン、エギルの姿はみあたらない。
 親友――リズベットはにいっ、と笑ってアスナを迎えてくれた。

「おかえり、アスナ。それで、あんたたち。初めてのアスナ主催の攻略会議の感想は、どう?」
「え?」

 アスナは後ろを振りかえる。
 攻略会議に参加してくれたリーファとシリカの目がきらきらと輝いていた。

「ど、どうしたの、二人とも」

 シルフ族で五指の腕前を持つ少女と、ケットシー領で領主アリシャとともにアイドルの道を駆け昇っている少女二人の、熱っぽい視線におされアスナはつい身を引いてしまった。

「もう、なんというか」
「感動しました」
「え……あ、うん。ありがと。リーファちゃん、シリカちゃん」

 攻略会議初参加の二人から手放しの賞賛を受け、アスナは思わず赤面した。

「え? そ、そうかな……。普通だと思うけど。たしかにちょっとだけ熱っぽくなっちゃったかもしれないけど」
「ちょっとー? あれがちょっとなら、いつもクエストでやってるあれは、そうとう気が抜けてるってことねー」

 リズの揶揄が飛ぶ。アスナは少々あわてて言葉を返した。

「ええっと。ほら。七人でパーティ組むときは、リーダーはキリト君だし……」
「しかも戦略的にあんた前衛でしょ。またほら、例のあだ名が広がっちゃうわね。やっぱり後衛は肌にあわない? 暴れたい?」
「ちがうってば。考えてたよりタンク役の人が多くて、ヒーラー層も厚かったから……予想の範囲内だったけど」
「というか、この即席パーティでそこまで把握できちゃうアスナさんが……」

 シリカが背中にまわっているしっぽを「?」の上の部分のように湾曲させた。
 たしかにパーティリーダーにラップとスキルの傾向はアンケートしたものの、正直なところアスナは今回あつまるパーティメンバーの、おおよその傾向を把握していた。
 シリカに答える。

「そんなに難しいことじゃないよ。だって未踏の迷宮区を攻略する時って、だいたいパーティ構成が決まるじゃない? 支援と壁を厚くしてゆるゆる前進するか、軽装備で駆け抜けるか。どちらか中途半端だと機能しなくなっちゃうし、ここに集まるパーティメンバーの傾向ってほぼ決まっちゃう。そこに――」
「あたしたちみたい
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ