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妖精のサイヤ人
第五話:決着!そして決勝戦へ!
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た。
勝者はネロ・ハバード。それを聞いた本人は、笑みを作ることすらもできないまま舞台が残っている方へと気絶して倒れた。結果を聞くまで頑張って耐えていたのか、はたまたタイミングが丁度よかったのか。

「…スゲェ…」

最後まで見ていた、金髪の少年は笑みを深める。周りからみてもわかるような、子供らしい笑みを浮かべている。

「アイツ…スゲエ…!はは…ッ!!」

自ずと、ラクサスは己が進みたいと思う道を見出した。そして、自分と進んでくれるだろう、唯一となれるだろう相棒は―――あのサイヤ人しかない、そう錯覚しそうな程に。


★★★★★★★


「…うっ…ここは…?って…試合!決勝戦は!?」

気がつけば、見知らぬ天井が目の前にあった。
頭がボーッとするが、先のことをフラッシュバックするかのように思い出しすぐに起き上がる。
そして頭の中には決勝戦はどうなったかが一杯だった。結果が気になるのもそうだろうが、何よりも闘いたいと思っていた選手の実力をまだちゃんと確認できていないのだと思い出したのだ。

「…まだ始まっておらん。だが其方が目を覚ましたのならいつ始まるか直に決まるだろう」

隣から聞こえた声に顔を向ければ、先まで試合していた選手がベットで寝ていた。それも、包帯ミイラ(・・・・・・)になって。
流石にその状態にネロは一瞬動きが止まり、「お、おう…」としか返せなかった。まさかアニメやドラマで見ていたミイラをこの目で見るときがくるなんて、なんて思いながら「あ、オレも同じ目にあってたわ」と一緒に暮らしていた姉のことをまた思い出し、遠目になるネロ。

「…もう、大事ないか…?」

「あ、はい。…もう気が足りない状態っすけど…身体中筋肉痛で痛いっすけど…大丈夫っすよ。…そっちは…」

「其方の技による暑さで身体中が火傷した。いやはや…もう天晴だ」

どこか爽やかそうにそう答える男を見て、ネロは目の前の男が初印象と全然違うことに気づいた。どこか、スッキリしたような顔…顔すらも包帯で覆われているから見えないが、雰囲気が少し柔らかいと感じた。
この男、最初は堅苦しい雰囲気がこんな雰囲気になるなんて、誰か思うのだろうか。

「…一つ、聞きたいことがある」

「…うん?なんですか?」

男―――ギクリは顔中包帯で覆われているが、目だけは覆われておらず、覆われていないその目で隣にいる少年に力強い視線を込めながら問う。

「…其方…にとって、強さとは何か」

「…え、強さってなにか、だって?」

「うむ」と頷き、ネロの見つめながら答えを待つ。
己は、結局最後まで限界を超え、強敵や理不尽な化け物たちと渡り合うことすら夢に叶わなかった。

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