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妖精のサイヤ人
第五話:決着!そして決勝戦へ!
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にそんな上に行くような技を彼が覚えるはずがない。できてたのならこんな理性がいつ失ってもおかしくないような状態と直感による野生の勘(ワイルドセンス)を習得しようと思っていなかったのだから。

「――!がァ…ッ!!」

「!むゥッ!!?」

それまで避けていたネロに、変化が起きた。
ギクリの攻撃を必死に避けていたネロの目が、一瞬だけ狂気の色が走った。
気による衝撃波を爆発させ、ギクリを吹き飛ばしてネロはすぐに膝をついた。
さっきの一撃で何されたのかわからなかったギクリだが、目の前の少年に異変が起きているのを感づく。
ネロの目が、黒から赤に変わって実力がアップしただけだと思っていたギクリは、この状態がネロにとってもやはりデミリットになったということに気づいた。だが、一体どんなデミリットなのか?

「グオッ…ォォッ…!」

「…もしや、理性が…?」

唸り声をあげる少年を見て、さっきの幻想を思い出す。あの幻想は―――正しく獣、そして間違いでなければ猿だった。それも、狂気のような真っ赤な目をした猿が。
ならば、今のネロ少年に起きているこの異変は?もしやその猿による影響か?

「…昔、ある話を聞いたことがある。古代から尻尾の生えていたサイヤ人は――先祖が大猿らしき化け物を接収(テイクオーバー)したと。恐らく、ネロ少年はその先祖から大猿の狂気を引き継いでいるやもしれん」

『な、なるほど…では今、ネロ選手は己の中の獣と戦っているということですね…!』

さっきまで聞き流していたアナウンサーの実況に、何故か実況者が増えていた。そして今、その実況が的を得ているかもしれない実況者に目をむけばギクリは目を限界までに開けるほど驚愕するのである。

(な…何故ここに聖十大魔道(せいてんだいまどう)が…!?…いや、今はともかく…かの魔法の天才の一人がこう口にしている。恐らく真実であろう…ならば…)

この試合は、休止になってしまうか?
一瞬この言葉を思い浮かべた。せっかくここまで進んだこの試合を、二人の対決をこんな形で終わってしまうのか?もっと続けたい、もっと闘いたい。もっとこの先を歩みたい。そんな願望が出てくる。
だが、このような事態になってしまうのならきっとこの試合はすぐに休止させられてしまうだろう。
それも、自分よりも遥か上にいるであろう魔道士、あの老人の手によって。

「ここまで、か…」

腑に落ちない思いだ。このような形で決着になるなんて、思いたくもなかったからだ。
アナウンサーがネロを見て、試合中止の声を上げようとしたその瞬間だ。
武舞台の破壊音が周りに響き渡った。

「…其方…」

「…これはすごいわい」

その破壊音の場所に
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