第五話:決着!そして決勝戦へ!
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『■■■■■■―――――!!グ…オオオオ―――――ン!!!
雄叫び。その獣の雄叫びにより山が揺らぎ、鳥たちは空へと逃げていく。獣の周りには数百メートルのクレーターが出来上がっており、そのクレーターの中心にいるのが雄叫びの主である獣だ。
獣の姿は―――ゴリラ、或いはその動物と似たバルカンというモンスターと似ているが、その獣と近い姿しているというのなら、猿。
猿を強大化させ、さらに筋肉質へと変貌した猿と思わせる凶暴性のある風貌だ。
だがその獣の纏う毛は誰もが知る猿の地毛とは違い――真紅に染まっていた。
『クオオオオオオオオオ――ン!!!!!!!!』
再び雄叫びを上げるその獣の前に、彼女は立っていた。
ただその場を立ち尽くし、そして咆哮を上げる獣―――真紅の大猿に対して恐怖するような表情でもなければ怒りの表情でもない。そのようなマイナスに含まれるような表情ではなく――むしろ逆。
大猿に対してまるで愛おしい者を見つめるような笑みを浮かべているのだ。
対し、大猿は自身に向けられる表情にピクリと止まるような動作をするが、すぐに凶暴さを再度に表す。
女性に向けて森の環境をいとも簡単に破壊可能と思わせるような巨大な腕を振り上げ、その命を無にするために下ろした。
振り下ろされたその拳の威力は周りの山すらも巻き込むような衝撃と風圧を生み、森を破壊する――が、振り下ろされたその腕による被害は衝撃と風圧だけだった。
何故なら、女性がその腕をただの片手だけで受け止めたからだ。
『!?』
別にこの女性は木よりも太い大猿のような腕をしているわけではなく、誰から見ても細く、白い腕だ。そしてその手足や体つきも、だ。
どこを見ても筋肉質な身体なわけでもなければ特別に鍛えられているような形はしていない。むしろ一般の異性である男がどこから見ても見惚れるような、女性の理想像を詰め込んだようなスタイルだ。だからこそ理性が失っている大猿でさえ、己よりも小さい生物が行った行動に心底理解不能となっているのだ。
女性の身や木よりも太く大きいその腕をただの片手だけで受け止めた。
受け止められた大猿はただその現状に早く立ち直ることができなかった。
そんな大猿に対し、女性は大猿の腕を受け止めながら口を開く。
「駄目ですよ、そんな簡単に理性を失っては」
まるでヤンチャした子供を叱るような、しかし優しく発せられた声音。
この大猿は、女性にとっては子供として見られているのか、それとも―――。
「理性を取り戻してください―――ああ、しかし。そんな姿になっても相変わらず可愛らしい」
淡々と、愛情が籠もった声で大猿に話す女性はただ微笑んでいた。受け止めた大猿の腕をもう
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