EX回:第80話<協力と対抗>
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「そう……午前中が勝負なのね」
急にブルネイの山城さんが冷ややかにカットイン。その目つきは、やたら鋭かった。
その視線が日向を狙っていた。
(ヤバい!)
でも日向は気付かないのか無視していた。
「火花ですぅ」
ボソボソ唱えつつ青葉さんが絶妙なシャッターチャンスを収める。
(冷たい戦争を煽るな!)
……ところが技術参謀までがニヤニヤし、ブルネイ司令は苦笑していた。
私はハッとした。
(もしかして美保とブルネイがぶつかるように計ったか?)
今度はブルネイの天龍が腕をまくって言った。
「俺は午後もやるぜ! ……そっちにオリジナル龍田も居るんだろ? 腕が鳴るなぁ、おい!」
彼女が言った先の最上はマイペースに反応する。
「ボクは索敵を中心にやりたいけど演習じゃ使えないし。仕方がないなぁ」
妙に素直で可愛らしい。
……で、日向は山城さんを無視して最上に関心があるようだ。さっきからチラチラと彼女を見ていた。
ここで金剛が尖がった声を出した。
「フフン! 私も負けないネー。朝はサッサと戦って、午後からはブルネイでティータイムね!」
「比叡もお供します!」
「……おい、誰が休めって言ったよ!」
チッという舌打ちが聞こえたような……。
「遊びじゃないから演習が終わっても、ちゃんと見学しろよ」
脹れる姉妹。
だが、そんな金剛姉妹の挙動を見ていた扶桑さんが不敵に言った。
「ふふ、私たちが居ればブルネイの勝利は見えたわね」
「そうよ、お姉さま。航空戦艦なんかに負けるものですか」
おい山城さん。それは明らかに美保の日向のことだろう? 名指しするなって。
いったい、どうしたんだ……と思う間もなく金剛が反応する。
「What! ナニ言うね!」
「あらぁ、お気に触って?」
扶桑さんが目を細めて腕を組む。量産型艦娘とはいえ戦艦クラスは存在感がある……お互いにケンカを売るのは止めるんだ!
「能天気な戦艦に私たちは負けないってことよ」
「シャラップ!」
(やめてくれー)
金剛も山城さんも挑発に乗せられるなって! 次第に険悪になる雰囲気だが技術参謀も誰も止めようとしない。
(あ……)
危うく前に出かけた金剛を冷静な日向が止めてくれた。
(やれやれ)
私はホッとした。
「技術参謀は戦闘データが欲しいですよね」
夕張さんが私の背後で囁く。
「そうか」
(すると対抗意識を煽って激戦に持ち込む意図があるのか?)
だがブルネイ司令は、ちょっとボーっとして……疲れたのか? また別の世界に意識が飛んでるらしい。
(ホントに大丈夫か? 明日は)
不安だな。
「あれ?」
ふと声が出た。いつの間にか日向が扶
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