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ソードアート・オンライン クリスマス・ウェイ
攻略準備(1)
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いたづらっぽく笑いながら俺の顔を眺めていた。

「……い、言われなくてもわかってる。ちゃんとフォローするよ」

 俺は顔が赤くなるのを感じて、あわててリズから目をそらした。なんだか胸の内を見透かされているようで、こそばゆい。

「そ、そういえば、リズ。リズの方はどうなんだよ。リンダースが解放されたら、またあそこの水車小屋で武具店やるんだろ」

 照れ隠しのように口をついたのはそんな言葉だった。俺とアスナが「ホーム」にこだわるように、おそらくあのリンダースに存在した水車つきの武具店には、きっとリズも愛着があるだろう。エギルにしてもアルゲートに存在したかつて店を購入する気でいるらしい。
 今回のことで大分仲間たちには借りを作っているので、返せるものなら、借りを返したい――精神的に。
 んー、とリズが小さく唸りながら腕を組んだ。

「まあ、ね。イグシティのあそこも気に入ってるから迷ってるんだけど、そのときが来たらお願いするかも」
「そのときは――俺とアスナも協力するからさ。資金面から物理的労働まで」
「……仮想的労働、じゃなくて?」
「……精神的、でよろしく」
「りょーかい」

 呆れたようにリズが言った。そんな軽口をたたき合っているとアスナの講義が終わった気配がした。アスナを中心に半円を描いていた人垣がとけていく。

「終わったみたいね」
「ああ……俺ちょっと、話をしてくる奴がいるから」
「え? 誰よそれ」
「……北海いくら」

 俺はリズの肩をぽん、と叩いた後、旧知のショート・スピア使い、いまはブーカとなった戦友のもとに足を向けた。

 途中でこっちにむかってくるアスナの姿をちら、ととらえる。
 瞳の色はウンディーネの種族特性で思い出深いはしばみ色からアクアブルーに変わっているものの、その瞳に燃える純粋な感情の炎には覚えがある。俺は覚悟と決意に満ちた瞳を眺めつつ足を進めた。

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