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【お試し版】もしも十二国記の転生者が王になったあと蝕で真・恋姫?無双の世界に流されたら?
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「徇王はまだ見つからないのか……」
「もう5年も経つがいまだに手がかりすらみつかっておらん。白雉が鳴いていない以上生きているのは確かだが」
「もしかして異世界に流されてしまったとか。いやまさかな」
「いま、なんとおっしゃいましたか?」


 うららかな午後、慶国の金波宮では、景王が私的に客を招いていた。
 青空のもと、東屋には3人の影がある。
 5年前から続く懸案事項について、延王尚隆と景王陽子が会話を続けていた。
 尚隆は覇気ある大柄な青年で、陽子は赤髪緑目、男装が特徴的な少女だった。それぞれが麒麟に選ばれた王である。
 黙って会話を聞いていた偉丈夫は遠慮がちに座りながら――伏礼は慶国では廃されている――思わずといったように口を挟んでいた。
 非礼にあたるが二人の王は気にも留めない。この場においては有難かった。


「いや、だから蓬莱には異世界が登場する作品が多くって。もちろん空想上の話だったけれどこうしてこの世界がある以上、他にも異世界があるんじゃないか?」
「異世界。蓬莱や崑崙ともまた異なる世界。もしや徇王が蓬莱や崑崙にいないのもそれが理由ではないか。しかしどうやって探すか」
「薄くだが王気が感じられるのだから、それを辿ってみればいいんじゃないか?」
「ふむ、目印があれば行けるやもしれませんね」
「おお、延台舗、景台舗まで。有難く!」


 離れて黙って見ていた麒麟の二人も加わり議論が盛り上がる。
 最後にいくつか問答を終えると、偉丈夫――舜国左将軍は満足気に頷いた。


「ありがとうございます。主上捜索への一筋の光明が見えました。急ぎ王宮へと戻らねば!」
「いやまて、本当に存在するかは分からないぞ?」


 声をかけるも、礼を失さない程度にかけていくと騎乗して飛び去っていくのが見えた。
 彼の従卒たちが一糸乱れず後を追う。全員騎獣が白で統一されている。左将軍ご自慢の白馬義従を陽子たちは遠目に見送った。
 思えば、偽王の乱では彼らに世話になった。尚隆がぽつりと言った。


「それしても即断してから行動が早いな。さすがは公孫?だ」
「思いつきでいったんだけど、大丈夫だろうか」
「ははは、陽子だからこそ思いつけたんだろう。俺も異世界とは思いもつかなかった」
「やめてくれ。まだ実在するかもわからないのに」
「公孫?は実在するがな!」


 言ってみたものの、三国志を知らない陽子にはあまりピンとこなかったようだ。
 事実公孫?は実在する。いや、していた。陽子たちの世界、崑崙つまり中国の地で。はるか2000年以上昔に。初めてその名を聞いたとき尚隆は仰天したものだが。
 しかし本人ではない。同じように徇王によって名付けられた者たちが舜には大勢いる。
 徇王の名を聞いたとき尚隆は
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