第七幕その一
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第七幕 幸せの林檎
先生達は上田にも来ました、そうしてそこで真田家所縁の場所を巡りました、先生はその中で皆に言いました。
「いいね、やっぱりね」
「上田っていうと真田家だよね」
「幸村さんのお家だよね」
「何といっても」
「このお家だよね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「僕もここに来られてね」
「よかったんだね」
「そうなのね」
「先生も幸村さん好きだし」
「それで」
「うん、実は幸村さんはこの上田にはあまりいなかったけれどね」
先生は明アにこのお話もしました。
「人質として越後にいたり京都や大阪で働いていたりしてね」
「そういえばそうでしたね」
トミーが先生のお話を聞いて言いました。
「幸村さんは」
「そうなんだ、実はね」
「関ヶ原の後はずっと和歌山の方におられて」
「あそこに謹慎させられていてね」
そのせいでというのです。
「大坂の陣でね」
「大坂に入って」
「そこで亡くなったからね」
「だからでしたね」
「この上田にはね」
真田家の場所であり幸村さんの故郷ではありますが。
「その生涯であまりいなかったんだ」
「そうなんですよね」
「そういえば大坂の陣で生き延びたお話があるけれど」
今度は王子が言ってきました。
「それでもね」
「うん、逃れた先は鹿児島だよね」
「結局上田じゃないからね」
「例え生き残っていたにしても」
それでもというのです。
「上田じゃないからね」
「そこはどうしてもなんだね」
「そうだよ、上田にはね」
「幸村さんは本当にあまりいなかったんだね」
「そうだったんだ」
「むしろですね」
トミーはしみじみとして言いました、その上田の地を見ながら。
「大阪の方にですね」
「縁があったかな、あと幸村さん自身は不本意でも」
「和歌山にですね」
「あそこには十数年いたからね」
関ヶ原の後で謹慎させられていてです。
「お父上と一緒にね」
「ご家族ともですね」
「一緒にいたんだ、ただその時はね」
和歌山の頃はといいますと。
「謹慎させられていて」
「やっぱり不本意でしたね」
「このまま人生が終わるのかとも思っていたそうだよ」
「そう思うと悲しいですね」
「けれどね」
それがというのです。
「大坂の陣が起こって」
「それで、でしたね」
「そう、戦に出て」
そしてというのです。
「戦国時代の最後を飾ったんだよ」
「戦国時代ってあれだね」
「そうそう、大坂の陣で終わりだけれど」
オシツオサレツが二つの頭でお話します。
「その最後の戦いでね」
「幸村さんが物凄い活躍するから」
「戦国時代の最後は」
「どうしても幸村さんって感じがするわね」
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