戦姫絶唱してないシンフォギアG〜装者達の日常〜
装者達のクリスマス・イブ
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メリークリスマス!わたしは今、特異災害対策機動部二課の医療施設でリハビリを受けています。聞いてください!この前、ようやく松葉杖が無くても歩けるようになったんですよ!それから、二課の皆さんもとっても優しくて、お陰様でわたしは元気です。』
「セレナ……」
マリアの目に涙が浮かぶ。
ようやく目を覚ました妹が元気でいる。その事実だけでも嬉しいのだ。
『姉さん達の事は聞いています。風鳴司令や、日本政府の偉い人達には、感謝が尽きません。いつか、皆で暮らせる日が来る事を願いながら、この手紙を書いています。』
「ああ……きっと叶うさ……きっとな……」
ツェルトも涙を堪えつつ、手紙を読み上げ続ける。
『暁さん、これからもいつものお気楽な笑顔で、皆を照らしていてください。あなたの笑顔に、皆が元気をもらっています』
『月読さん、わたしは皆の事を一番よく見ているのは月読さんだと思います。なので、皆が落ち込んでいる時は、支えてあげてください。暁さんと、これからも仲良く過ごせる事を祈っています』
「ぐすっ……えっぐ……」
「切ちゃん……まだ泣いちゃダメだよ……」
「調の方こそ泣いてるじゃないデスかぁ……」
切歌は袖で目元を拭い、調も必死で堪えていた。
『ツェルト兄さん、皆の事を守ってあげてください。こんな事を頼めるのは、ツェルト兄さんだけです。これから先も、マリア姉さんの事をよろしくお願いします。義兄さんの事が大好きな妹との約束ですよ?』
「ちょっと!?セレナ!?」
「ははっ、これは一本取られたな……」
動揺するマリアを見て、ツェルトは微笑む。
『そして、大好きなマリア姉さんへ。わたしの為に頑張ってくれて、ありがとうございます。でも、わたしはもう大丈夫です。だから、これからはマリア姉さんの好きなように生きてください。多少の不自由はあるかもしれませんが、ツェルト義兄さんがきっと支えてくれます。いつか姉さんと、義兄さんと、三人仲良く暮らせる日を夢見ています。』
「もう……セレナったら……」
『それでは皆さん、顔を合わせる事が出来るのは年が明けてからになると思います。その時までお元気で!』
「うっ……ううっ……あ……」
「ひぐっ……う……」
「あ……うっ……ぐすっ……」
読み終えた瞬間、マリア、調、切歌の涙腺が崩壊した。
「ほらほら、泣くんじゃない……。折角のクリスマスなんだから、笑って過ごさないでどうするんだよ!」
「うう……ツェルトぉ……」
泣きじゃくるマリア達三人を優しく抱き締め、一人ずつ、その頭を撫でていくツェルト。
その心には、強い決意が灯っていた。
(セレナに頼まれたんだ……。俺が皆を守らないとな……)
泣いている暇など、自分にはない。
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