戦姫絶唱してないシンフォギアG〜装者達の日常〜
装者達のクリスマス・イブ
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。
彼女がそれを気にしている事を知っているからだ。
なので、溜息を一つ吐いて作業に戻る。
クリスマスを共に過ごす恋人は居ないが、同僚達と過ごすのは楽しい。
だから寂しくはない、と自分に言い聞かせて。
「……ところで藤尭くん、明日、パーティーの後は暇でしょ?」
「え?」
不意に友里から投げかけられた言葉に、藤尭は明日の予定を思い浮かべる。
「うーん……まあ、特に何も予定はないけど」
「じゃあ、ちょっと買い物付き合ってよ。荷物持ってくれると助かるんだけど」
「えぇ……。まあ、いいけどさ。どうせ暇だし」
面倒だとは思ったものの、断る理由も特になし。
藤尭は友里の誘いを受ける。その言葉の裏に隠された真意も知らずに……。
「藤尭さん……鈍いわね」
「おっ?遂にあの二人、付き合っちゃう?」
食堂で休憩していた二人の黒服職員……小森蓮と尾灯春菊は紙コップ入りの珈琲を片手に、そんな二人を見守るのであった。
「あら、珍しいわね?」
データ整理をしていた了子が手を休めると、デスクに湯気を立てるマグカップが置かれた。
振り返ると、そこに立っていたのは弦十郎だ。
「たまにはいいだろう?友里くん程ではないが……」
「そうね。じゃあ、いただくわ♪」
了子はマグカップを手に取り、一口含む。
「ん……?ホットココア?」
「ああ。差し入れにするなら甘い物がいいと思ってな……」
そう言って弦十郎は、後頭部を掻いた。
「恥ずかしい事に、俺は了子くんが甘党なのは知っているが、どの程度の甘さを好むのかを知らない。だから珈琲よりも、元から甘いココアの方が適切だと思ってな……」
了子は座ったまま、弦十郎の方へと身体を向ける。
「いつの間にかそ〜んな気遣いが出来るようになったなんて、私、聞いてないわよ?」
「了子くんは、俺達の為に日夜頑張ってくれている。このくらいはさせてくれ」
「ふ〜ん……」
了子はクスッと笑いながら、ココアをもう一口啜る。
「まあ、ギリギリ及第点って所かしらね〜」
「そうか……これは手厳しい。俺もまだまだだな」
肩を竦めて笑いながら、弦十郎は息を吐く。
そしてまっすぐに了子を見つめると、少し緊張気味に切り出した。
「ところで了子くん……明日のパーティー、時間まで予定は空いていたりするのか?」
「明日の予定?なぁに、藪から棒に」
「その……なんだ。もし、よければ俺と……」
弦十郎の言葉が、一瞬詰まる。
その場にいた職員達は一斉に口を閉じると、息を呑みながらも静かに、その様子を見守った。
了子も何も言わず、ただ静かにその続きを待っている。
やがて、弦十郎は意を決したように口を開いた。
「俺と二人
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