第7章:神界大戦
第228話「潰えた導き」
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け入れる。
「……でも、まだ貴方が目を向ける人間がいるのですね……」
「ぁ………」
「その人間の名前……教えてくれます?」
そう言って、イリスは優輝にキスをしながら額同士をくっつける。
そこから、優輝の“大事な者”の名を読み取る。
「……そう、貴方の妹、親友、家族……それと、貴方を恩人と思っている少女に、ああ、あの物語の主人公……あら?なるほど……周りの人達は皆大事なのですね……」
緋雪、司、椿と葵、奏、なのはと、次々と優輝の中にある“大切な者”の名前を読み取っていく。彼女達だけではない。聡や玲菜、学校の友人達や、クロノやユーノなど、優輝の周りにいた人物は全て読み取られた。
「ふふ……あれ程やって、まだ記憶を読み取られまいと抵抗したようですね……でも、無駄です。貴方の全ては既に私のものなのですから……」
優輝は、意志も自我も失った状態で、それでも抵抗していた。
だが、当然耐えられるようなものではない。
あっさりと、明け渡すように読み取られてしまった。
「……あの忌々しい“天使”の情報はありませんか。どうやら、貴方も知り得ない場所にいるようですね。……好都合です」
「………」
ぽつりと呟いた言葉が、優輝の耳に入る。
イリスにとって忌々しい“天使”。
それは、かつての神界での戦いにおいて猛威を振るった神の眷属の事だ。
それがこの場には来ないと分かり、イリスはほくそ笑む。
……同時に、優輝の口も僅かに弧を描いたように見えた。
「では、まずは貴方の大事な存在を潰しに行きましょうか。……協力、してくれますよね?貴方は私だけのものなのですから」
「………あぁ」
虚ろな瞳のまま、優輝はイリスが差し伸べた手を取った。
そして、闇の世界が収束していき、二人は現実へと戻る。
「……ふ、ふふ……あはははははははは!!これで、これで!私の目的の半分は達成されました!ようやく、ようやく彼が私のものになったのですから!」
現実の神界。そこでイリスが哄笑を上げていた。
先程までの出来事は、ほとんど一瞬で終わっている。
時間操作か術式に干渉しない限り、それは神界の神にとっても変わらない。
故に、周りからは闇に呑み込まれた瞬間、優輝がイリスへと倒れ込んだようにしか見えない事だろう。
「イリス様、これからどうなさるので?」
「……そうですね……まずは態勢を整えましょうか。他の神の状況も知りたい事ですし……ね。その後は、改めて彼のいた世界へ攻め込みます」
ソレラに尋ねられ、イリスはこれからの方針を言う。
イリスが展開した包囲網は、飽くまで優輝を追い詰めるため。
他の状況に
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