第7章:神界大戦
第228話「潰えた導き」
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する。貴方が応えてくれるのなら、私も精一杯愛する。だから―――」
「っづ、ぁ……!」
「―――早く、堕ちて……!」
さらに深淵へと引き込まれる。
底なしの奈落に落ちるように、心が堕ちていく。
だけど、これでもまだ一線は超えない。
超えて、堪るものか……!
「無駄です。無駄ですよ……!私の“闇”からは決して逃れられません……!逃がさない。逃がさないんだから……!」
「ぐ………がはっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
心身共に“闇”へと染められる。
手が顔から離れ、視界が戻るも、黒く滲んでいる。
その中に、恍惚と妖艶と必死さが混ざったような顔をしたイリスが見える。
「んっ……!」
「ッ……!?」
直後、今度は口を塞がれた。
手や“闇”でではない。
「(こいつ……!?)」
「ん……ちゅ……」
まさかキスをしてくるとは思わなかった。
だけど、当然普通のキスじゃない。
「(まずい……!)」
舌も絡めてくるソレは、かなりディープなものだ。
それこそ、恋人以上の相手にやるような。
だけど、同時に流し込まれている。
「(こいつが、ここまでするとは……!)」
イリスは、“闇の性質”から相反する“光”を嫌う。
僕のような気質の相手は、本来触れる事すら嫌がるはずだ。
だけど、今のイリスはその正反対。
むしろ求めるように、恍惚とした表情でキスを続ける。
「(まさか、本気で………!)」
“その考え”に至った時には、もう遅かった。
流し込まれる“闇”が、完全に僕の全てを侵蝕する。
「(イリス、お前は……―――)」
―――その思考を最後に、僕の意識は途絶えた。
=out side=
「ぷぁ……っ!」
イリスが優輝から口を離す。
離れた口と口の間に、透明な糸がひかれる。
「ふふ………」
口を離したイリスは、まるで愛する者を見つめるように、優輝を見る。
「………」
対して、優輝は無表情になっていた。
目は虚ろになり、イリスを見つめ返している。
そして、どこか頬も赤く染まっているように見えた。
「ようやく……ようやく、私のものになりました……」
愛しい者に接するように、イリスは優輝の頬から顎にかけて撫でる。
「もう、離さない……!私の、私だけの愛しい人……」
抱きしめ、もう一度口づけを落とす。
それを、優輝はなすがままに受
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