処罰
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カさんがボケるから突っ込んじゃうんだろ!真面目にしててくれれば、俺だって突っ込まないよ!」
リュカの軽口に思わず突っ込むウルフ…
「ほら!完璧な突っ込みじゃん!」
「なっ……!!」
言葉を失うウルフ…それを見て、アルルが腹を抱えて笑い出す。
そして、それに釣られてハツキ・エコナ・カンダタも笑い出す。
むくれていたウルフでさえ笑い出し、みんなの笑い声でグプタとタニアが目を覚ましてしまった。
二人が起きた所で丁度食事となり、その日の夜は更けて行く…
<バハラタ>
「お祖父ちゃん!!」
昼にはバハラタに帰ってきたアルル達は、脇目も触れず黒胡椒屋へ入って行く。
そして中にいたターゲル老人へ泣きながら抱き付くタニア!
「おぉ…タニア!良かった…無事で本当に良かった!!」
「ターゲルさん…ご心配をお掛けしました…」
「おぉ、グプタも…お前達が無事で本当に良かった!!」
ターゲルとタニアとグプタ3人が、抱き合い・泣き合い・喜び合っている。
暫く喜びを噛みしめるとアルル達に向き直り、深々と頭を下げて礼を述べる。
「勇者様…誠にありがとうございます!貴女様のお陰で、私は2人を失わずに済みました。感謝に絶えません!」
「じいさん…まだ感謝には早い………もう一つ、やる事が残っている…」
何度も頭を下げるターゲルに、リュカが真面目な口調で感謝を遮る。
「ハツキ…ナイフを貸して…」
リュカはハツキから聖なるナイフを借りると、カンダタの首根っこを掴み力ずくでターゲルの前に跪かせる!
「ちょ、何だ「うるさい!お前は黙れ!」
カンダタの抗議の声を遮り、ターゲルにナイフを渡す。
「じいさん、この男が今回の誘拐事件の首謀者だ。コイツの言い分を信じれば、今回の誘拐で、孫娘に危害を加える事はしなかった様だが、誘拐した事実は変わらない。勇者アルルは、この男が改心したと思っており、今後の旅の仲間に加えるつもりだが…」
突然のリュカの行動に、誰もが声を出せないで居る。
「じいさん…アンタ等家族を苦しめた男は、今後も生き続ける…しかしアンタには罰を与える権利がある!その権利を行使するチャンスは今だけだ!アンタの心に悲しみを与えた男を罰したいのなら、そのナイフで喉を切り裂け…」
ターゲルの顔から血の気が引く…
リュカが冗談を言っている訳でないのが分かるから…
皆も息をするのを忘れ、固唾をのむ。
少しの間だが、沈黙が世界を支配した…
そしてターゲルが口を開く…
「お若いの…私には彼を罰する事は出来ないし、そんな覚悟もありません…タニアとグプタが無事に戻って来ただけで、悲しみも憎しみも消え去りました…彼への処罰は勇者様に委ねます…」
ターゲルは優しい顔で微笑むと、ナイフをハツキに手渡し、アルル達全員に頭を下
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