第57話
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んはエリゼお姉さんにとって大切なリィンお兄さんのクラスメイトだった上、今回の戦争でシュバルツァー家がアルバレア公爵家の”全て”を奪う事になるのだから、ユーシスお兄さんにとっては大切な兄だったルーファス・アルバレアが使っていた代々アルバレア公爵家に伝わる家宝の剣を”形見”として返してあげるくらいの良心はあるわよ。」
「ハハ…………今回の戦争でも内戦に続いて早速エリゼ君にお世話になってしまっていたとはね…………改めてシュバルツァー家に対して私達アルノール家は一生頭が上がらない事を思い知ったよ…………」
「それよりもその口ぶりだともしかして、エリゼはリィンが将来メンフィルで滅茶苦茶出世する事が内定している事も知っているの?」
レンの答えを聞いたオリヴァルト皇子は疲れた表情で溜息を吐き、フィーは真剣な表情でレンに訊ねた。
「当たり前じゃない。エリゼお姉さんはリフィアお姉様の”秘書”も務めているのだから、当然メンフィル帝国政府の最新情報にも詳しいわよ。」
「………やはり今回の件が終われば、メンフィル帝国政府の動きに詳しい協力者を作る為にも何としてもリィン君にエリゼ君とのパイプを築く協力を頼むべきですね。」
「ハア…………ただでさえシスコンのリィンがエリゼを利用する事に対して良い顔をしないでしょうに、あんまりにもしつこいと、冗談抜きでリィンに”斬られる”かもしれませんから、あたしは止めといた方がいいと思いますよ。」
フィーの疑問を肯定したレンの説明を聞いて新たな決意をしたトマスの言葉にその場にいる全員が冷や汗をかいて脱力している中サラは呆れた表情で指摘した。
「クスクス、そもそも七耀教会――――――というか宗教が国の政治に関わる事を嫌うメンフィル帝国政府の方針を知っているエリゼお姉さんが七耀教会の協力者にはならないと思うけどね。」
「ハハ…………薄々察してはいましたがやはりメンフィル帝国政府はエレボニア帝国政府同様七耀教会(私達)のような宗教が国の政治に関わる事は嫌っている事で七耀教会とは距離を取った関係を保っているのですか…………やれやれ、クロスベル帝国政府も七耀教会とは距離を取った関係にする方針のようですし、今後のゼムリア大陸での七耀教会の国際的立場が低くなってしまう可能性が高い事を考えると七耀教会所属の者としては色々と複雑ですね…………」
小悪魔な笑みを浮かべたレンの指摘を聞いたトマスは苦笑した後疲れた表情で肩を落とした。そしてレンが再び指を鳴らすと剣はユーシスの目の前へと移動した。
「ま、そういう事だからその剣は遠慮なく受け取っていいわよ。」
「…………メンフィル帝国とレン皇女殿下、そしてエリゼの寛大なお心遣いに心より感謝いたします。」
レンの許可を聞いたユーシスはレンを見つめて頭を下げて感謝の言葉を述べた後目の前に浮いている鞘に
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