この世界で二人きりになれたらいいのにね
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燃え盛る、嘗て聖杯戦争が起こった地。マスターとの縁が結ばれる切欠となった特異点。復元を終えてはいるが、今回は幾つか残る小さな歪みを修正するためにレイシフトを行っていた。
目的も達成し、同行したサーヴァント達を労っていたマスターが己の横へとやって来る。視線は燻り続けている炎に向けられていた。
「どうした」
「ん、キャスターのに似てるなーと思ってさ」
火だし暑いんだけど、恐くはないんだよね。不思議そうに首を傾げたマスターは、宝具のことを言っているのだろうか。黙ったままのオレを咎めるでもなく、帰還を促す様子から他意は無かったことが伺える。そのまま先を歩く連中を追い始めた体を杖の先端で引っ掛け、後方から首元へ腕を回し囁いてやる。
「……ご希望なら、囲ってやろうか?」
覗き見た表情は恐怖にも、また喜色にも染まってはいない。ただただ呆然としているだけだった。全く――お前さんには、その間抜け顔がお似合いなことで。そう安堵するが、口惜しいのも事実だ。コイツにとっては知らない方が幸せだろうが、ああ、つまらねぇなあ。
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