ボス攻略(5)
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に頼もしいパーティだ。
リーファがソードスキルをウェンディゴのふくらはぎの部分にたたき込み、クラインが抜刀系のカタナスキルからコンボするソードスキルを骨ばった――いや、骨しかない腕に叩きつけている。
リズとエギルがそれぞれ大技を乱発。さらに他のパーティの攻撃も続く。俺が剣を貸した白コートアバターも突進系ソードスキルで突撃していた。俺から見てもすさまじい速度でうまいことリーファとクラインの二人の間に突進し、片手剣をボスの胴体に討ちかかっていた。
なぜか俺の剣をもっている白コートのアバターにリーファとクラインが驚くのがわかった。これはあとで説明がいるな、と思いつつウェンディゴのHPバーに目をやった。
――すこし火力が足りないかもしれない。
剣と魔法に責め立てられるウェンディゴのHPは残念ながらまだ残っている。誰かがソードスキルを発動させるたび、HPはじりじりと削れていく。だが、クールタイムと硬直によって与ダメージの爆発力は時間経過とともに落ちていく。
いまのところ俺の《ヴォーパル・ストライク》はクールタイムを課せられているため使用不可だ。それにあそこまで乱戦が進むと、簡単には戦線復帰できない。下手に踏み込めば味方の獲物にあたってしまう――。
もう一撃。決定的なもう一撃が必要なのだ。
そしておそらく、その致命の一撃を行うのは、おそらくたった一人だけ。この場にいる全員のスキル値を俺が理解しているならもっと他の方法もあったかもしれない。
背後を振り向くと、アスナは細剣を装備していた。
そのほれぼれするような凛々しい立ち姿を目にしつつ、確信を持って叫ぶ。やはり今回のボス攻略のラストアタッカーは彼女だ。
「アスナ! 飛べ!」
視線をからませて、短く叫ぶ。
アスナのアクアブルーの瞳が大きく見ひらかれた。アスナの瞳に理解の色が浮かぶのを確認する。それ以上の言葉はいらない。俺は再度ウェンディゴとの距離を詰める。
ウェンディゴはおそらく最後の力を振り絞り、例のデバフの炎を周囲にまき散らした。
炎は前線でウェンディゴを取り囲むクラインたちに襲いかかる。デバフ満載の炎を浴び、ダメージディーラーたちの動きが明らかに鈍くなる中、俺一人だけ、炎の壁につっこむようにウェンディゴに向かって走りきった。紫の炎が視界を埋める。熱さは無いが、マイナスのステータスアイコンがHPバーの横にずらずら並び、がくんと速度が遅くなる。まるで粘性の液体をかきわけているかのように四肢が重いが、かまわずプレイヤーの間をすりぬけ、胸元にむかってジャンプする。すでにウェンディゴは頭上に両手昆をふりあげ、重範囲攻撃の前動作を行っていた。
「う、おおおおおっ!!!」
《ホリゾンタル・スクエア》をウェンディゴの胸元に叩きつける。水平
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