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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第9話:魔法使いとは?
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が、ではどうやって君や君と行動を共にしていたウィズは魔法が使えるんだ?」

 これも当然の疑問だ。誰もが持っていながら使うことが出来ない力を、颯人やウィズはどうして使うことが出来るのか? 少し魔力が扱えるだけでは、彼やウィズのようなことは出来ないのだろう事は容易に想像できた。

 その質問が出た時、颯人は少し口籠った。いや、この事も話して大丈夫な内容に入ってはいるのだが、ここから先は少し悪い意味で刺激が強いのだ。故に、簡単に口に出すことはどうしても憚られる。

 とは言え、話さない訳にもいかないので颯人は少しだけ考える素振りを見せてから彼がどうして魔法を扱えるのかを話した。

「簡単さ。魔力の栓を強引にこじ開けたんだよ」
「こじ、開けた?」
「そ。サバトって儀式でね。サバトを行う事で人間の中にある魔力の栓はこじ開けられ、魔法を扱うことが出来るようになるのさ…………生き残れればね」
「生き残る? ちょっと待て!? それ死ぬ可能性あるのかッ!?」

 颯人の言葉に奏が喰いついた。案の定な反応に颯人は明後日の方を見ながら引き攣った笑みを浮かべる。

「ま、ね。大昔は違ったらしいけど、今の時代の人間にとって魔力は必要のない物になっちまった。その状態に慣れ過ぎて適応した人間の体は、過剰な魔力に耐え切れなくなっちまったのさ。だから現代人の体は本能で自主的に魔力の栓を閉じちまうんだと」
「魔力が人体に悪影響を及ぼす…………それでも颯人君が魔法を扱えるのは、体が魔力の悪影響を受けないものに変異しているからね?」
「ご名答。噂に違わぬ頭の回転の良さだね。殆ど正解だよ」
「ふふ〜ん!」

 流石の了子の理解力に颯人は舌を巻き、拍手を送る。

 実際、颯人が魔法を使える理由は大体了子の言う通りだった。
 サバトを行い魔力の栓をこじ開けられた人間は、素質が無ければ急激に全身を巡る自身の魔力で体が崩壊してしまう。仮に素質があっても、一気に解き放たれた自分の魔力に耐えきることが出来なければ結局待っているのは残酷な死だ。

 魔力を扱える者────即ち魔法使いは、その死の運命を覆し自らの体を魔法が使えるものに変化させることが出来た者の事を指すのである。

「つまり君はサバトを行い、死ぬリスクを冒して魔法使いになったと言う訳か?」
「一応言っておくと、ウィズ曰く俺の場合は死ぬ可能性は低かったらしいけどね」

 魔法使いになる為に必要なものは主に素質と強い精神力が求められた。素質がなければ解き放たれる魔力に耐え切れないし、精神力が弱ければ魔力が解き放たれる苦痛に心が耐え切れず肉体も朽ちる。

 これら全てを満たした颯人だからこそ魔法使いになれたのだ。

 颯人は見た目や態度だけで測れるような人間ではない。その事を理解した二課
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